ブラアカ「好きな人は?」「さとしくん、相談があるんですけど。」
「ブラックが相談って珍しいね!なになに?人気者の秘訣?」
「…………。」
ブラックはさとしのズボンを脱がす。
「それはおケツ!
真面目に聞くからやめて!」
「実はアカネさんに好きな人が出来たようなんです。それでオレちゃん、相手が誰なのか探ってみようかと。」
「ふ〜ん?」(絶対ブラックのことだと思うけど……)
「青オニちゃんによれば、この後公園で撮影するみたいです。とりあえず一緒に来てください。」
「うん!」(しかたないな俺が二人の恋のキューピットになってやろう)
――――
公園では、アカネが不良相手に無双する撮影が始まっていた。
まさに一騎当千……かわいい女の子の拳ひとつで、男共は次々に倒されていく。
さとしは息を飲んで、その光景を見ていた。ブラックとカメラちゃんもテンションが上がっている。
「鬼ヤバですねアカネさん!」
「やっぱり強いね!さすが鬼だよ!」
「心の底から戦いを楽しんでるように見えますし、彼女が惚れた相手もかなりの強者…と考えられますね。」
「うんうん!」(いつ自分だって気づくかな〜?)
「……あ、もしかして!
…誰だかわかっちゃいました!!」
「気付くの早ッ」
「安田岡さん!!?」
「ぜんっっっっぜんちがう!!!」
ブラックはツッコむさとしに疑いの目を向ける。
「………………。」
「なに?」
「妙に強くツッコミますね…?
もしかして、アカネさんが好きな人知っていますか?」
「ぎくっ!ま、まさかぁ〜」
「わかりやすいですね。
教えてください。答えによっては……わかりますよねえ??」
「答えにくいよ〜…」
ブラックの黒い雰囲気に怯えながら、言い逃れできなさそうなので、素直に答えた。
「アカネちゃんが好きなのは、ブラックだよ。」
「はい??オレちゃん?」
「うん。」
「……そうですか……
アカネさんと話してきます。」
「え、ちょっ…!?」
さとしは止めるべきなのかわからなかったので、ドキドキしつつついて行った。
「アカネさん。」
「ブラック!悪いがいまはアタシが撮影中だ、少し待ってて」
「いえいえオレちゃんはお話に来たんです。」
「話?珍しいな。なんだ?」
「単刀直入に聞きますが、アカネさんはオレちゃんのこと好きなんですか?」
「…………」
アカネは一瞬で赤面し滝汗を流す。
「どどどどどどどこでそれを!!!???」
「さとしくんから。」
「さとしオマエッッ!!!!」
「ひぃぃッごめんなさいッ!!」
「バレたものは仕方ないですよ、落ち着いてください。」
「「おまえが言うな!!!」」
アカネは1度深呼吸して、まだ赤くなりながらも話をする。
「あたし自身、恋愛とかよくわからないけど、それでもブラックの事考えるだけでドキドキしたりさ、好きだなって思うんだよ…。」
「なるほど……」
「ブラックはその気がないだろ?だから言わなかったんだよ。
……はあ………バレちゃったら…もうやりずらい、よな。」
「……いいえ、大丈夫です。これまで通りやっていけますよ。」
「ブラック…!」
「むしろこれまで以上、色々やっていきましょう。
アカネさん、オレちゃんも好きです。」
「……え???」
アカネの思考が追いつかないうちに、ブラックは理由を述べる。
「アカネさんに好きな人が出来たと聞いて、いても立ってもいられない気持ちでした。その理由もよくわからず、ここまで来ていました。
これが恋という気持ちだったんですね…。悪くない気持ちです。」
「ちょ、え……ブラックが、アタシを…すき…??」
「信じられませんか?」
「信じられん…。夢じゃないよな?
ほっぺ殴ってくれ。」
「つねるんですよ普通。」
つねってやってもいいが、アカネはそれでも信じてくれなそうだなとブラックは思った。
なので、自分が普段は絶対にしない行動でわからせてやろうと思った。
「アカネさん、好きです。」
「えっ……?」
細身ながら筋肉でカチカチの身体を抱き寄せて、唇を重ねる。
「ッ!!??」
「…………どうですか?
こんなことするオレちゃんは、夢にも思わなかったでしょう?」
アカネは蕩けるような目でブラックを見て、小さく
「好き…。」
と返した。