本になるかもしれない啓燈、ホ荼 随分と、轟燈矢に入れ込んでいると思っていたんだ。
全てが終わったあと、せめて、あの人が息子との時間を取れるようにと、荼毘に恨みのある医者はつけられなかったから、公安の権力で信用に足る医者を選んだ。
自分も個性で親から迫害されていた、やった事は許されないが、せめて穏やかに最後を迎えられるように。と言ったあの医師を信頼した。
その結果がこれだ。
目の前のベットで、穏やかに眠る白髪の子供。
エンデヴァーさんの実子であり長男の、轟燈矢、そして、荼毘と名乗りすべてを焼き尽くす憎悪を持って現れた厄災。それが、いま目の前で眠る幼子などと、誰が信じられるか。
側に転がる気絶させた医者を睨みつける。まさか、あの子の巻き戻しの個性因子を使って、こんな事をするとは。
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