㍌もちもちダンボールさんへ【ジュナビマ】 チチチ。鳥の囀りのようなスマートフォンのアラームを切るため、アルジュナはコンロの火を止めた。
フライパンの上にある生地の焼き具合を確認する。程よい焦げ目がついているのを見て裏返すと、まだ油の残った熱い鉄板の上で、生地がパチパチと焼ける音を立てていた。
「さて、そろそろ起こしに行きましょうか」
未だに鳴り続けるスマートフォンのアラームをオフにし、アルジュナは手を洗った。普段の休日であれば、そろそろ兄のビーマが階段を下りてくる時間だ。
昨晩は帰りが遅かったためか、規則正しい生活を送るビーマにしては珍しく、まだ起きてくる気配がない。隣のコンロで温めていたダールという豆のカレーの加熱も一旦止め、アルジュナは二階の寝室へと向かう。
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