記憶を辿って ざっくりプロローグ書き直し!!!
ゲームだと必然的に主人公視点になるから出来る限り主人公視点で書けるようにしたい。
プロローグ
_____…。
硬いコンクリートの地面に勢いよく氷のように冷たくて、惨めな**を包み込んでくれるような暖かさのある雨が叩きつけられている。
雨に降られ涙でぼやけ霞む視界の中、体温が抜けていくのに比例して行くように赤い、紅い、温かい液体が**の身体から流れ雨に、地面に溶けていく。
…微かに、音が聞こえる。
「…**、___、_…」
ぼやけて霞む視界の中で意識を失う前に最後見えたのは、**の口が何か伝えようと微かに動いているところだった。
**の声は掠れていて、もう聞こえない。 聞くことが、できない。
感覚を頼りに、**の手を取り力の限り握り締める。 握り締め合う。
___ 朧げだった視界が、聴覚が感覚を遮断して、今更やってきた痛覚にまるで眠りに落ちるように意識がブラックアウトした。
第一章
…リ、ジリリと鼓膜を劈くような音量で鳴るアラームの音に軽く目が醒める。
「…ふあ、ぁ……」
モゾモゾと身体を動かして、起き上がり軽く欠伸をする。 まだ寝起きで覚めていない視界を頼りにアラームを止め、ふかふかとしたベットの上で身体を軽く伸ばす。
欠伸をしたことで出た涙を擦る。
ボーッと、朧げに記憶に残っている夢の内容を思い返す。 **って、誰だ…?
無理に思い出そうとするとズキッ、と目の奥を刺すように頭が痛み考えることを止める。
先程まで鳴っていた目覚まし時計を手に取り時間を確認する。 8時だ。
「…へ、8時? まずっ、!?」
ベットの上からバタバタと抜け出し、物の少ないクローゼットの扉を開け自身の着古され柔らかくなった紺色のシャツに袖を通す。 下にピンクのグラデーションがかった黒色のネクタイを首に巻く。
その辺にあった賞味期限ギリギリの食パンを手に取り、軽くマーガリンを塗ってトースターにぶち込む。 その間に軽く顔を水洗いし、歯を磨く。
シャコシャコと磨いている合間にリビングの方からチンッ、と高めの軽い音が聞こえたので歯を磨くのを終え口を冷水で濯ぐ。
焼きたてで熱いトーストを口に咥え齧りながらせめて寝癖だけでも、と髪の毛を整える。 履き慣れた灰色混じりの白色の短パンに足を通し膝まであるかないかくらいの長さの黒い靴下を履く。
トーストを食べ終え、充電の終わった特にカバーもしていない黒いスマートフォンを手に取り”例の件”についての資料が入った鞄を手に取りそこに投げ入れる。
戸締りだけはちゃんと確認して、鞄の中に定期が入ってるかも確認して、いつも履いている少しだけ底が厚めな黒色のブーツを履く。
扉を開け、少しボロいアパートを後にする。 駅は徒歩10分もないほど近く、走って行けば5分もかからない。
無事に駅へと着くと、改札を抜けいつも乗る電車がすでにきていたので乗り込むとすぐ扉が閉まった。 本当にギリギリだったらしい。
朝の通勤ラッシュの時間帯ではあるが、仕事場がそもそも遠くあまり人が寄りつかない地なので朝でも余裕に座席に座ることができた。
「…疲れた」
ふぅ、と一息つくと朝のトースト一枚だけでは足りなかったようで鞄から栄養補助食品であり社会人の助けになるパックに入ったゼリーをジュッ、と飲む。 ラムネの甘酸っぱい味が頭をすっきりとさせてくれる。
片道軽く一時間はかかるので軽く目を閉じて電車の揺れに身を任せることにした。
___ 暗転。