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    Beli_very_Cat

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    Beli_very_Cat

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    シェアハウス前の過去捏造
    24~25歳くらいの💜がタワマンで一人暮らししてます。(家を出て数年経ってる)
    CB姿の🧡が研究所的なところから逃げてきた人造天使という設定捏造あり
    なんでも楽しめる方向け
    続きはカリパの本になる予定です!!!!kiss

    #ふみ天
    fumiten

    天使を拾った日「おや……?」
     仕事を終えたばかりの僕は、自身の部屋に入る前に違和感を覚えた。
     見慣れたドアの前に人影が見える。
     それは裸足のまま体育座りをしていた。
     眠っているというには、あまりに静かで生気を感じない。
     その異様な光景に一瞬、ぎょっとするがすぐに冷静な思考へと切り替わった。
     死んでいるのであれば、警察に届けを出さなければ……。
     身元確認のためにもそれの近くに寄る。
     よく見るとお腹の辺りが動いており、手首の内側を触ってみても、脈は正常だ。
     すうすうと小さく寝息を立てる彼を見てなんだ眠っているだけか、と安心して胸を撫で下ろす。
     まだ、十代くらいの少年のようだ。
     彼の姿は人間というには、浮世離れしていた。
     頭にはほんのりと光っている、だが影のようにも見える輪っか、背中には、金色で液状の羽根を模ったようなものが浮いている。
     形容するのであれば、それは天使だ。

    よく見ると、足先は左右でそれぞれ白と黒に染まっている。
     羽根と同じ金色の爪が映えて美しい。
     表情は乏しいようだが、うなされていて少し弱っているようだ。
    「……あの、そこの君、大丈夫ですか?」
     彼の頬をペチペチと優しく叩く。
     すると、彼はくまどったように黒く長い睫毛を気だるげに持ち上げる。
    「……アンタ、誰?」
     彼は寝ぼけ眼のまま、上目遣いでこちらを睨みつけた。
     低く大人びた声だが、その表情や仕草はどこか幼くあどけない。
    「僕は天堂天彦といいます。この部屋に住んでいる者です」
    「ふぅん……」
     彼は興味なさげに、そっぽを向いて返事をする。
    「君は、どうしてこんなところで眠っていたんですか?」
    「……知らない。気づいたらここにいたんだ」
     そう言った彼の髪や服は乱れていて、足にも小さな傷がいくつかある。
     どこからか逃げてきたのだろうか。
    「……家はどちらですか?」
    「さぁ?」
     彼はこちらを見つめ、小首を傾げる。
     深い夜空の紫に、金色の煌めく星が浮かぶ瞳。
     思わず、吸い込まれそうになる。
     彼の表情がいつかの自分と重なり、放って置けない気持ちが湧く。
    「とりあえず、僕の部屋で良ければ入りますか?」
    「えっ……」
    「ここにずっといたら、目立ってしまいますし……」
     僕は腰をかがめて目線を合わせ、彼の出方を伺う。
    「そう……?」
     首を傾げている彼の手を引く。
     すると彼は無表情で小さく頷き、ついてきた。
     人間とは思えぬほど、手は酷く冷たかった。
     *
     ガチャリとドアの鍵を開けて、僕は彼を部屋に招き入れた。
     自分の分の靴を揃え、ソファに置いてあるクッションを、彼が座れるようにそっと退かした。
    「どうぞ気にせず、座ってください」
     そう言うと彼はこちらを伺うように、上目遣いで見たあと、ゆっくりとソファに腰掛ける。
    「お腹すいてませんか? 何か食べたいものは?」
    「……わからない……」
    「では好きな食べ物や苦手なものは?」
    「…………さぁ?」
     少しの間を置いて答える彼。
     やはりまだ警戒されているのだろうか?
    「わかりました。今から作るので、待っててくださいね」
    「……」
     彼はどこを捉えているか分からないような視線を向けて、呆けている。
     台所に立って、冷蔵庫の中を見る。
     昨日の残りの野菜炒めがあったはずだ。
     それを皿に移し替えて温め終えたら、冷凍ご飯をレンジに入れる。
     その間に有り合わせの食材で卵焼きとお吸い物を作っていく。
     昨日作ったおかずの残りの出汁でだし巻き風にしましょうか。
     薄く膨らむ卵を、手際よく巻いている途中で、チンッ!と 温め終わった音が響く。
     ごはんはタッパーから茶碗に盛り直して、残りの卵も巻いていく。
     残りのおかずも皿に盛り付けをして、料理を机に並べた。
    「はい、どうぞ。召し上がってください」
    「……うん」
     彼は黙々と食事をはじめた。
     湯気の立った料理を、ほっぺにいっぱいに詰める。
     はふはふと熱い息を吐きながら、食べる姿はまるで小動物のようで愛らしい。
     慣れていないのか、にぎり箸でご飯をかきこむ。
     それすらも、なんだか微笑ましく、クスッと笑みがこぼれる。
    「なに?」
    「ふふ……なんでもないですよ」
     不思議そうな顔をする彼に笑いかける。
     自分の分のご飯にも箸をつける。
     ふっくらとした卵焼きが口の中で解れる。
     それを薄味のお吸い物で流し込む。
     一人で食べている時よりも美味しく感じた。
     それからしばらく無言の時間が続く。
     何を話すわけでもないけれど、心地の良い時間だった。
    「はい、お粗末様でした」 
    「……」
     彼はじっとこちらを見つめていた。
    「?……どうかしました?」
    「……卵、もっと甘い方が好きかも…」
    「ふふ……そうなんですね。次からは甘く作りますね」
     少しだけ彼を知れた気がして嬉しくなる。
     出会ったばかりなのに、不思議だ。 
    「……次?」
    「おや、僕としたことがつい……まだ言っていませんでしたね」
     そう言って、僕は苦笑する。
    「行く場所……無いんでしょう?よろしければ、しばらくここに居ませんか?」
    「アンタが良いなら別に……でも良いの?」
    「全く問題ないですよ。
     一人でこんな広い部屋に居るのも寂しいですし……」
     彼から少し視線を外して、これまでの生活を少し思い返す。
    「あぁ、でも……まだ貴方の名前聞いてませんでしたね。教えていただけますか?」
     僕は少し屈んで目線を合わせ、彼に微笑みかける。
     すると、彼はゆっくりと口を開いた。
    「___…みや…伊藤ふみや……」
    「ふみやさん…ですね。ふふっ……
     それと僕のことはアンタではなく、”天彦”と呼んでください」
     微笑みを浮かべつつも、彼の目をしっかり見据える。
    「__わかったよ…。天彦・・
     彼は少し面倒くさそうにそう答えた。
    「ふふッ……これからもよろしくお願いしますね。ふみやさん・・・・・
     非現実的な雰囲気を持つ、どこか無機質な少年、伊藤ふみや。
     これから彼との二人暮らしが始まる。
      __この夏は慌ただしくなるような気がした。
     

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