ランワス①「、……」
呻くような声が漏れたのは、自分の口ではなかった。後ろからの苦し気な声と共に、きつく抱き締められて、体温が一気に上がるのを感じる。
「――っ、離せ、クソガキ」
「……いやだ」
無理やりに手を引き離そうとしたら、駄々を捏ねるように、嫌だ、ときた。
「はなしたら、逃げるだろう、きさまは」
子供が親に甘えるように、ぐりぐりと背中に頭を押し付けたまま、ぽつぽつとこぼす言葉はいつもよりも舌っ足らず。
ああ、逃げたい。この場から逃げたい。そんな考えがワースの頭を支配する。
「マッドロ……」
震える手で掴んだ杖を呆気なく取り上げられて「にげるな」と一言。
「いいかげんに、オレに愛されるかくごを持て」
「そんなの、」
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