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    seloringo

    @seloringo

    主にアレな絵(せくしーとTS)置き場なのでご注意をば

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    seloringo

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    ハイノイ。先日ふっと湧いたシャンプーネタ。
    解釈は航海日誌を経てますが、ハさんの口調は慣れなくて日誌以前の感覚で書いてます。
    お互いなんとなく気になるな〜の両片思い未満ぐらいの空気。

    現状ぶった切りで終わってます。小説にしたいけど分からなすぎるので、寝かせて調整してを繰り返そうかなと…。
    自分の中の関係値メモも兼ねて書いてるのでちょっと回りくどいかも。大目に見てくだしゃんせ。

    独占欲の先っぽファウンデーション戦後、暫くミレニアムに滞在していた頃、操舵のサポートや雑務の合間でアルバートの操舵データ収集や性能実験に付き合うのが日課になっていた。
    初対面こそまくし立てる勢いに圧倒されたが、これだけ共に過ごす時間があれば否応でも慣れるものだ。
    必要な部分を拾えればなんとかなる……はず。
    肩肘張っているとこちらがもたないと自然と砕けた対応をするようになってしまったが、本人は大して気にしていないようだった。

    そんなアルバートだが、今はオーブ側の新造艦製造にあたり数週間、場合によっては数日置きに地球と宇宙を往復している。
    ミレニアムやプラント側での業務もある中でこの頻度の往復生活はさすがに堪えるのではと心配したが、曰く自分が出向いた方が圧倒的に効率がいいと。
    自分は新造艦の目処が立った段階で地球に戻っていたので、こちらで再び顔を合わせるのは不思議な気分だった。


    ある日の業務終了際、アルバートから渡したい物があると声をかけられた。

    「アーノルド、差し支えなければこちらを試して頂きたい」

    そう言ってアルバートが無地の紙袋を差し出してきた。
    袋の中を覗くと中型のパウチが2つ。簡易的なラベルにはそれぞれシャンプーとコンディショナーと言う文字が見えるが、艦の支給品とは異なるパッケージだ。
    意図がわからず首を傾げているとアルバートが説明を始める。

    「プラントの衛生品メーカーで研究職をしている知人がいるのですが、最近地球環境向けのヘアケア用品も開発しておりまして。ストレートヘア向け製品の試作ができたので誰かに試してほしいと送られてきたのです。」

    なるほど、所謂モニターというやつだろうか?

    「試すのは構わないんだが、俺はこういうのに詳しくないぞ。もっと適任がいるんじゃないか?」

    「仰々しいものではありませんのでお気になさらず。2週間程使用し、使用前後の髪質の変化と簡単な使用感を伝えてもらえれば問題ないと。」

    業務上定期的に会うから都合がいいとも言われ、相手は大変な勤務をこなしている訳だからその程度の感想でいいならと請け負った。

    その日の夜、早速預かった洗髪剤を使ってみることにした。
    シャンプーを手に出そうとして、初回こそ使用前後を比較した方がいいかと気づいた。
    濡れた前髪を軽く指先で摘んで、そのまま指をスライドさせてみる。
    髪質は悪くない方だと自覚していたが、日々海風や紫外線に晒される髪は気づかないうちに傷んでいるようで所々ひっかかりを感じる。
    気を取り直してシャンプーを適量掌に出すと軽く水を含ませ頭髪で泡立て始める。
    泡立ちも普段のやつよりいいかも…などと使用感を思い留めながら洗っていると、僅かに柑橘を感じる爽やかな香りがふわりと鼻腔をくすぐった。

    (どっかで嗅いだことのある香りだな。しかも比較的最近…)

    しばらく記憶を辿っていくと、柔らかなプラチナブロンドの髪に行きあたった。

    新造艦のシステム調整のため、操舵席に座るアルバートから説明を受ける場面が度々ある。計測機器の確認をする都合上、密着とまではいかずとも肌が触れそうな距離になることもあり…

    (……俺は何を考えているんだ)

    自分の思考に驚き、慌てて頭を振る。
    洗髪剤に限らず近い香りのものなんていくらでもあるだろ。使ってるか知らないが整髪料とか、洗剤とか。

    (支給品とは違う香りだったから記憶に残っただけで他意はない……!)

    微かに顔の火照りを感じて、勢いよくシャワー出し僅かに湧いた邪念を泡とともに流していく。
    泡が出なくなったのでシャワーを止めて息をつく。もう一度前髪をつまんでみると、髪は指の間をするりと滑っていった。


    「先日お渡しした洗髪剤はどうでしたか?」

    1週間ぶりに地上勤務のアルバートが、作業に区切りのついたタイミングで尋ねてきた。

    「良かったですよ。あまり気にしたことはなかったんですが、指通りの違いってわかるものですね。」
    「それは結構。」

    まだ1週間分程残っているが、数回使っただけでもそれなりの効果を実感していたため素直に感想を伝える。
    同時に抱いていた疑問をそれとなく投げてみることにした。

    「あんたもこのシャンプー使ってるんですか?」

    「ええ。厳密には同じものではありませんが、地球環境下での私の髪質に合う洗髪剤を以前から件の知人に発注しています。地球環境に伴う髪質の変化だけはなかなか度し難く、無用なストレスを避ける上で有効ですので。今回お渡したものはその延長で開発しているものだと聞いています。」

    「……ああ、だから同じ香りがしたのか。」

    「は?」
    「ん?」

    納得して思ったことをつい口に出してしまっていたようで、アルバートは僅かに目を見開きなんとも言えない顔をしている。
    顔に熱が集まるのを感じて、慌てて顔を逸らす。
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