蓋を開ければ若に向ける自分の好意は、純粋だと思っていた。それは神に向けた敬愛にほかならず、俗物的な性愛だとか、独占的な欲求なんてそこには無いと。
けれどもそれは、若の弟が現れた時、とんだ勘違いであったと分かってしまった。
弟というだけで、コラソンの立場に収まる男。俺が何年もかけて得た信頼を、再会した瞬間から得ている男。
神に向けた美しいと思っていた感情は、蓋を開ければ、なんとどろどろとして汚れているのか。
湧き上がる自分への嫌悪感と、神を汚してしまったという感覚。
これ以上、自分の感情で若を汚したくない。そう思い、少しばかり距離を置くことにした。いつでもどこでもついて回っていたのを、指示があるまで動かず、寄らず。ただ遠くから見つめるばかりに徹することにした。
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