ユニコーンオーバーロードキャラ雑感・オーバン編・オーバン
バトルホルンおじさん…もといお兄さん。その節は大変お世話になりました。貴方のお陰でロルフはガード無視アローレインを問答無用で浴びせることが出来ました。
リディエルにおっさん呼ばわりされたけど、ピチピチの二十代だった。アレインに雇われた頃から頼りになる好漢で、おおらかでよく笑い、日焼けした肌にミチミチの筋肉に包まれた丸太のように逞しい腕と腰は間違いなくイイ男の部類。自分でも男前って言っちゃってリーザに呆れられるくらい。
…なのだけど、実は加入時のハスカールが前衛に立たせるには柔らかく、後衛としては火力不足の中途半端な印象があり、長らくベンチウォーマーだった。金で雇った傭兵というのもイマイチ信用できなかった。
印象が大きく変わったのがドラケンガルド入りして、砂漠の出身だったことが判明してから。金に執着するのも傭兵稼業やってるのもちゃんと目的があるからと分かり、砂漠の案内人を務めてくれたことで好感度が急上昇。育ての親のBBAは殺されてしまったし、リーザやマゼランが実質家族なのだろう。その分家族への憧れと愛情がとても深い。親密会話でリーザとマゼランを乗せた船が沈没して二人を死なせてしまう悪夢を見た時は酷く慌て、夢だと分かって安堵していた。彼にとって家族を失うというのは耐えられない恐怖なのだろう。オーバンだけでなく、過酷な砂漠で必死に生きてきたマゼランたち砂漠の民は結束がとても強いのが良かった。
幼い頃に読んだ絵本で海に憧れ、自分の船で海に出るのが夢だったけど、子供の頃の夢を大人になっても持ち続けるのはとても難しい。オーバンは砂漠を飛び出し傭兵に身をやつしても、握りしめた夢を手放そうとせず、ED後はついに念願の自分の船を手に入れてしまった。意志の強さは全キャラ一番かもしれない。海に憧れたオーバンの上位クラスがヴァイキングなのも最高だった。
盾を持ちバトルホルンを吹くようになってから、オーバンは一軍入りするようになった。スキルのバイタライズとアレインとの相性がかなり良く、スタミナ切れ知らずでノンストップで戦いながらガンガン歩兵を薙ぎ払っていく。削りきれなかった敵をライン攻撃で一掃してしまう気持ちよさも加わって、オーバンはいつしか金で雇われた傭兵から、常に王子の隣に立つ相棒へと変わっていった。
そんなアレインとの出会いは、金目当てで請け負った仕事でヘマをし、味方を逃して自分は捕らえられ処分を待つという、人生のどん底だった。不思議な運命の巡り合わせで、アレインと雇用契約を結んでからオーバンの人生は一変する。森へ、雪国へ、砂漠にいた頃には夢にも思わなかった大冒険に巻き込まれ、ついに救国の英雄となったアレインと共に国一つ救ってしまった。
戦後は契約どおりアレインから褒賞を賜ったけど、てっきり自分の船を買うと思いきや、褒賞金を全て砂漠の民の生活再建に使ってしまったのはオーバンらしい。マゼランにしょっちゅう借金してて一見金遣いが荒そうに見えるけど、故郷や家族の幸せのためなら自分の私財全てを投げうっても構わないという、根っからの利他の人なのだろう。
金による契約で始まったアレインとオーバンの関係は、いつしか信頼と敬意で結ばれた関係に昇華し、「アレインの旦那のお人好しがうつっちまった」と笑い飛ばしたオーバンを、クリアしてからますます好きになってしまった。
コルニア再興後はきっちり夢を果たして、自分の愛船を手に入れ大海原へ旅立ったオーバン。たまに帰国して王都に顔を出しては、少年のように目を輝かせながら、海の向こうの珍しい物や土産話をたくさんアレインに持ち帰ったことだろう。
指輪ルートだとまさかのアレインも船に乗せて海を渡った姿が目撃されてる。非指輪ルートでは戴冠式後確かに「船を手に入れたら一緒に海に出ようや」みたいなことを言ってたけど、約束をちゃんと守ったんだね。一国の王を危険な船旅に連れ出して大丈夫なのかとジョセフみたいに心配したくなるけど、アレインはきっと「オーバンがついているなら絶対安心だ」と信頼を寄せて船に乗り込むんだろうな。未知の世界や大海原の冒険はいつだって男の子の憧れだし、旅の間は職務を忘れて二人で目一杯楽しんできて欲しい。
旅に出たオーバンのその後は語られていないけど、きっと最高の人生だったと思う。