Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    kannspa

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 11

    kannspa

    ☆quiet follow

    OCの正義くんがひたすら触手に責められる話です。性別は♂♀どちらでも構いません。好きな方で想像してください。

    ⚠️救いはないです。なんでも許せる方向け。

    正義の悪夢正義とかなめは見知らぬ建物に閉じ込められていた。

    正義は何故こんなところにいるのか全く身に覚えがない。気がついたらここに居たのだ。

    ビルのような構造の建物。
    だが、そこに窓はなく、人の気配もない。

    出口は固く閉ざされ、鍵がなければ脱出は叶わない。
    正義とかなめは共に部屋を巡るが、どの扉の先にも、同じ無機質な空間が広がるばかりだった。

    (どこまで続くんだ……。)

    薄暗い廊下に足音だけが響く。出口のない迷宮をさまようような感覚が、じわりと胸を圧迫する。

    そして、次の扉を開けた瞬間——

    「……っ!?」

    正義は息を呑んだ。

    壁一面を覆う、異様なピンク色の肉塊。

    ただの静寂ではない。それは生きていた。わずかに波打ち、まるで巨大な心臓のようにどくどくと脈打っている。

    「かなめ、……見るんじゃないぞ。」

    そう言い残し、正義はひとり部屋の中へと足を踏み入れる。

    粘つく甘い匂いが鼻を突いた。ぬるりとした空気が肌にまとわりつく。恐る恐る壁に触れると、ぬめった感触が指先に絡みつき、じんわりとした温もりが掌に伝わった。

    (まるで……生き物の中にいるみたいだ。)

    ぞくり、と背筋に寒気が走る。

    もう十分だ。何も調べるものはない。そう判断し、正義は踵を返した。

    その瞬間、扉が大きな音を立てて閉じる。

    「……!」

    次の瞬間——

    湿った音とともに、壁の肉塊が動きだし、ピンク色の触手が、ぬるりと溢れ出す。

    まるで獲物を見つけた捕食者のように、ゆっくりと、だが確実に正義へと迫ってくる。

    「……っ!」

    嵌められた。ドアノブを捻るが扉は微動だにしない。
    出口がない。触手は確実に正義を狩るつもりだ。

    ——ドアの前にはかなめが居る。万が一この触手が部屋の外に出てしまったら。

    「……かなめ! 今すぐそこから逃げろっ!」

    ドアの向こうにいるかなめに向かって叫ぶ。

    と、同時に正義の口を異形の触手が覆い隠し、そっと唇に触れた。冷たく、ぬめりを残す感触が唇をなぞり、わずかに開いた隙間に入り込むような動きを見せる。

    その感触に喉の奥がひくりと震え、小さな吐息が漏れた。侵入を許さぬよう唇をきつく噛み、喉の奥で呻きを殺す。

    しかし、触手の蠢きはその反応を楽しむように変化していく。

    触手はまるで生き物のように、正義の唇を優しく、逃げられないように包み込む。

    触手の先端は、唇を押し広げると、ゆっくりと抵抗を許さぬ柔らかさで口内へと侵入してきた。

    無理に押し込むのではなく、じわじわと舌を撫で、喉奥まで伸びる触手は、正義の咽喉の形に沿って、ゆっくりと柔らかく奥へ奥へと入り込む。

    息が詰まりかけ、意思に反して目尻に涙が滲む。

    熱を帯びた粘膜が、蠢く肉塊に押し広げられる。
    嘔吐感がこみ上げるが、口いっぱいに広がるその肉が吐き出すことを許さない。

    苦味と粘り気を持った感触が舌に触れ、粘ついたそれは、喉の奥を撫でるように動きながら、じわりと体内に何かを流し込んでいく。

    「っ………んぅ……!」

    抗う声が喉の奥でかすれ、粘液に絡め取られ、弱々しく空気に溶ける。

    触手は正義の震えに合わせるように、喉の奥で微かに蠢き、粘液を少しずつ確実に注ぎ込む。
    粘液は喉奥から胃へとじわじわと流れていく。

    (……息が、できない。)

    掻き消える思考。視界の端が黒く滲む。

    意識を手放そうとしたその時、突然触手が口から離れた。

    「……げほっ、げほっ……。」

    こみ上げる咳とともに、口元から淡いピンク色の粘液が滴る。喉に絡みついた異質な感触が、いつまでも離れない。

    その瞬間、背筋を這い上がる熱がじわじわと全身に広がった。額に滲む汗。粘り気のある液体が喉の奥で跳ねる。
    意識が、溶けるように霞んでいく。

    (……毒か……? 逃げなければ……)

    足を動かそうとするが、力が入らない。
    世界が揺れる。

    「……っ。」

    耐えきれず、正義は膝を折った。

    先程まで口内を埋めつくしていた触手が正義の顔を撫でた。

    頬を伝う粘液。
    胸元に滑り落ち冷えた床にシミが広がる。

    視界の端で、それがひどく鮮やかな痕となって染みついていくのを、ただ、ぼんやりと見つめるしかなかった。

    (……かなめは……どうなった………逃げれたのか?)

    意識の底に沈みながら、正義は必死に思考を掻き集める。だが、答えはどこにも見つからない。
    身体は重く、まるで自分のものではないように動かない。

    湿った音を立てながら、触手がゆっくりと正義へと忍び寄る。

    ぬめる感触が皮膚に這う。四肢を狙うように絡みつくと、するりと巻きつき、瞬く間に締め上げた。

    「……っ……やめ……。」

    歯を食いしばるが、力が入らない。
    指一本すらまともに動かせない。

    ずるり、と腕が引かれる。脚も絡め取られ、重力に逆らうように強引に持ち上げられた。吊るされた身体が、粘つく肉壁へと押し付けられる。

    温い壁が皮膚の温度を奪う感触。逃げ場のない檻。

    そして——

    細くしなやかな触手が這い始める。

    触手はゆっくりと優しく、まるで水滴が滑り落ちるように、正義の肩や首筋を撫でた。

    粘液を纏ったそれは、ぬめる絹糸のような感触だった。
    まるで水中にいる自分を、誰かの指先がそっと撫でていくような、そんな不思議な感覚だった。

    背中や腕をなぞられる度に、ぞわりと鳥肌が立ち、思わず息が詰まった。

    「───っ。」

    その滑らかな感触は次第に本数を増し、皮膚を這う線が幾重にも重なり、まるで無数の見えない筆が同時に身体中を撫で回すような錯覚を覚える。

    粘液の冷たさと触手の温もりが同時に存在し、ぞくりと背筋を走る感覚が脳裏に響く。

    ただ撫でるだけではない。
    時折、ゆっくりと先端で肌を引っ掻き、まるで羽根の先端で微かになぞるような弱い刺激を与えてくる。

    皮膚の上にじわじわと何本もの線を引き、その線が身体の輪郭を際立たせていく。

    さらにぬめりを帯びた触手が、時折柔らかな吸盤を思わせる面で露出した肌に密着し、わずかに吸い上げるような感覚を残す。まるで見えない唇が、皮膚に小さな口づけをしているような、不気味な愛撫だった。

    痛みはない。しかしそれが逆に感覚をより一層鋭敏にさせ、正義の肌にじっとりとした熱を残した。

    粘液が服の隙間から素肌を伝い落ち、冷たい水流が布を通して流れ込むようで、不快感に身悶える。

    触手はわずかな隆起や凹凸に敏感に反応し、まるで正義の身体の形そのものを記憶しようとするかのように、丁寧に優しく撫で続ける。

    首筋をなぞる。粘液が肌を滑り落ちる。
    鎖骨を撫でる。ぞくりと背筋が震える。
    胸元を通り過ぎ、腹部へ、下へ下へと這い進む。

    「…っ……。」

    下半身が触れた瞬間、僅かに震える身体。
    触手は、まるで正義の反応を楽しむように、何度も何度も肌の上をなぞる。

    (何も考えるな……意識を逸らさないと……。)

    心の中で必死に理性を保とうとする。しかし、触手の動きは止まらない。

    むしろその焦りを敏感に感じ取ったかのように、触手は今度はより緻密に、より微細に肌を刺激してきた。耳の裏、首筋、肘の内側、太ももの裏。身体の繊細な部分を丁寧になぞるように触れてくる。

    太腿の内側をそっと撫で、服の上からでも柔らかな触感が伝わるように、絶妙な力加減で刺激を加えていく。

    それは決して痛みを与えようとする意思はなく、逃れようとする意志を折る惨たらしい優しさだった。

    皮膚の上を這うその感触は、冷たくも生温い、不快感と妙な心地よさが混ざり合った奇妙なもので、次第に腹の奥がじわりと熱を持つ。

    (やめろ、やめろ……こんなことで……。)

    呼吸が浅くなり喉がひゅっと鳴る。

    心臓の鼓動が速まるたびに、精神がじわじわと削り取られていく感覚に襲われる。
    まるで真綿で首を絞められるような、じわじわとした絶望感だった。

    触手は肌の上で踊るように動き、ひとつひとつの動きが意志を持つかのようだった。

    潤滑油を纏った指の腹のような、唾液を含ませた柔らかい舌のような感触で、耳の裏を撫で、喉元にそっと触れる。

    皮膚を撫で、這い、吸い付く感触は、波紋のように心を揺らし続ける。
    触手の動きに合わせて、理性が薄皮を剥がされるように少しずつ崩れていく。

    やがて服の隙間からぬめりを持った触手が入り込む。

    背中を這い肩甲骨をゆっくりと撫で回す。
    背中の中心を撫で下ろすその動きは、冷たい小川が肌を流れる感覚に似ていた。

    皮膚の上に冷たくねっとりとした感触が広がり、それが心の奥まで侵食してくるような感覚に、呼吸が酷く乱れる。

    正義の腹部を覆うように滑り込んだそれは、臍の周りを円を描くようにゆっくりと撫でた。
    触手は躊躇なく太ももを這い、ついには鼠径部へと忍び寄る。その動きは繊細でありながらも、どこか狂気を孕んだ不安定さを伴っていた。

    感度の高いところを何度も何度も繰り返し触られ、触手の蠢きに合わせて肌は粟立ち、背筋に電流のような震えが走る。

    触手はそれを合図とでも思ったのか、さらに繊細に、執拗に、皮膚の上を這う動きを強める。

    喉元、鎖骨、脇腹、腰骨、太腿の内側、背中───
    まるで全身の弱点を知り尽くしたかのように、ぬるぬるとした触感が這い回る。


    「……くそ……っ……!」

    正義は必死に身を捩る。
    だが、それはまるで獲物の命乞いを楽しむかのように、触手たちを興奮させるだけだった。

    嫌悪の念が胸の奥底でうごめく一方、触手の柔らかな触感に、身体は抵抗と屈服の狭間で揺れていた。

    理性は何度も反発の声を上げるが、触手の蠢きが皮膚を這うたびに、理性の声はかすれ、身体は震えた。その震えが己の意思に反して身体が感じているのではないかという疑念を呼び、正義はその度屈辱に身悶えた。

    (………何も…何も考えるな。)

    心の中で必死に繰り返しても、身体の反応は止まらなかった。

    汗が額を伝い落ちる。

    理性を保とうとするが、触手は抗う気配を感じ取ると、動きをより執拗に、より繊細に変えていく。

    皮膚の薄い敏感な部分を重点的になぞり、愛撫するように、時に吸い付くように触れていく。

    喉の奥から声が漏れそうになり、正義は必死に唇を噛みしめた。

    蠢く異形の存在は、まるで獲物の恐怖を味わうかのように、じわじわと正義の身体を締め上げながら無数の腕のように蠕動を繰り返し、正義の身体を這い回った。

    冷たくぬめる感触は、はだけた服の中に滑り込み、隙間を縫うように熱を持った素肌に触れる。
    思わず震えが走り、腕が無意識に触手を振り払おうと動く。

    だがその動きはぬるりとした感触に阻まれ、まるで重たい水の中でもがいているかのようだった。

    喉の奥で嗄れた声が漏れ、離せと言いかけて言葉は途切れていった。

    触手はまるでそんな正義を嘲笑うかのように唇や首を這い、甘くしたたかに絡みつく。

    絡みついた触手は首筋にするりと巻き付き、じわりじわりと締め付けを強めていく。
    圧迫はまだ激しくはないが、皮膚の下で血液が渋滞し脈拍が速まっていくのを感じる。

    肺の奥が重く息苦しい。

    首を締める触手の圧迫は緩急をつけていた。
    締め付けを一瞬緩め、次の瞬間には再びきつく絞る。

    「………か…はっ。」

    呼吸を奪われ、新鮮な空気を必死に求めるたび、無力感と共に心が締め付けられた。

    血の巡りが鈍くなり、視界の隅がかすみ始める。
    しかし気絶寸前で緩められ、意識を手放すことすら許されず、深く刻まれる恐怖と官能の狭間に只管に身を委ねるしかない。

    「っ…!」

    触手はまるで正義の弱々しい抵抗を愉しむかのように、緩めては締め付け、貪るような蠢きを続ける。

    休むことなく肌を這い回り、じわじわと心を追い詰めていく。

    背筋を這い、肩を滑り、腕を乱暴に絡め取り、腰を優しく撫でるその動きは、まるで意志を持った悪意がまとわりついているかのようだった。

    脚に絡みつく触手は足首から膝へ、腰へと執拗に這い上がり、素肌に伝わるその感触は、心臓を掴まれたような嫌悪感と共に僅かに頬を紅潮させた。

    (…………抵抗出来ない。こいつが満足するまで耐え続けるしかないのか。)

    心の奥でそんな絶望の声が響く。

    身体はこわばり、息が詰まる。それでも触手は飽くことなく正義を弄ぶように蠢き続けた。





    ───どのくらい時間が経っただろうか。

    触手のぬめりは肌の感覚を狂わせ、意識は薄明かりの中を漂うように揺らぎ、抗う力を奪っていく。
    冷たくも柔らかな感触が、肌に刻まれるたびに嫌悪の念が心の中をかき乱す。

    「…………っ。」

    喉奥から搾り出される声は震え触手の締め付けに掻き消されていった。

    時折抵抗しようと力を込めるも、その力は滑らかな蠢きに絡め取られ、まるで自分の意思すら奪われるかのようだ。

    理性では否応なく抗いたいという思いが渦巻くのに対し、身体は触手の圧迫に耐えるためか、無意識に力を抜いてしまう。

    その無力感に、胸の奥が痛いほどひりついた。

    抵抗できないもどかしさと、逃げられぬ運命への絶望が胸を締めつけ、胸を焦がす悔しさに頭の中が霞んでいく。

    唇はかすかに震え、吐息は甘く、喉の奥は締め付けられたように熱くなる。

    (……こんなやつに…身体を許すなんて…。……受け入れられない。…受け入れたくない。)

    「………んっ………うっ…。」

    喉から絞り出す言葉は苦悶に満ちているが、同時にその震えは理性の隙間から零れ落ちる甘美な陶酔を告げているようだった。

    身体は上下する触手の動きに呼応するかのように小さく震え続ける。その震えは理性の灯火が消えかけていることの証だった。

    触手は背中から肩甲骨を撫でるように這い、脇腹をくすぐるようにゆっくりと降りていく。

    触手の這い回る感触が服の中で増えていくたび、身を縮めようとするが、その僅かな抵抗ですら触手に封じられる。

    腕と両足を絡め取られ、腰を押さえつけられ、逃げられないことを思い知らされる。

    服の内側のその厭らしい脈動は、理性に悲鳴を響かせる一方で、身体は触手にされるがまま、ただ静かに息を呑むしかなかった。

    羞恥と絶望が心を満たし、それでも声を出してはならないと必死に堪える正義の心は、今にも決壊しそうだった。

    異形の存在はこちらの恐怖や抵抗、快感や羞恥心すらも察しているかのように、皮膚を優しくじっとりと撫でる。小さく漏れる吐息、そのたびに蠢きがさらに繊細さを増していく。
    その固執した蠕動は、触手の持つ「何らかの意志」を痛感させた。

    (何が目的だ、いつまで続くんだ………。もうこれ以上は……。)

    心の中で何度も繰り返す懇願は、虚空に消えていった。絶望と恐怖が胸を締め付け、心臓は早鐘を打ち、喉奥から嗚咽が漏れそうになる。

    まるで決して覚めることのない悪夢の中で、自分の意思も声も届かない深淵に引きずり込まれていくような、そんな絶望的な感覚だった。



    まるで柔らかな唇が肌に口づけを落とすように、皮膚に触れた先端が音もなく、ほんのわずかに力を込め、肌を吸い上げる。

    「────っ!」

    それは吸盤のように微細な点で引っ張られるような、そんな感覚だった。

    「うぅ……ぁっ。」

    思わず漏れた小さな声。

    声は理性の隙間から無様に漏れ出し、途端に羞恥心と腹の底に沈めていた恐怖が一気に溢れ出る。今まで経験したことの無い感覚に、正義は反射的に肩をすくめ、身をよじった。

    しかし触手は逃れようとする正義の動きに合わせて酷く絡みつき、蠢き、全身を覆い尽くしていく。
    まるでその反応を待っていたかのように、腰に、太腿に、恋人に愛撫するかのような繊細さで、正義の抵抗を弄ぶように攻め続ける。

    脇腹をゆっくりとなぞり、背筋を這い、腰骨に沿ってゆらゆらと撫で上げる。

    触れられた肌は粟立ち、神経の奥底を嫌という程ざわつかせる。

    やがて触手はゆっくりと下腹部を包み込む。

    皮膚を覆う感触は、冷たく、ぬるりとした膜がまとわりつくようであり、まるで温かい蛇に呑み込まれたような錯覚を覚える。

    触手は細く尖った先端で突起をかすめ、くすぐるように引っ掻いたと思ったら、すぐに柔らかな感触に変わり優しく蠢く。

    肌に触れる感触は、冷たく、しかし粘つく温かさを持ち合わせていて、ぞくぞくとした刺激が電流のように神経を駆け巡る。

    敏感な部位を、爪で優しく引っかかれているような、舌先で転がされ嬲られているような甘い感覚に、身体の疼きが止まらない。

    正義は思わず顔を歪めた。

    「くっ……。」

    小さく呻く声が漏れ、呼吸は乱れ、胸が浅く上下する。

    触手の動きは、その乱れに呼応するように、より一層繊細に、皮膚の上を這い回り、秘所を撫で、吸い付き、引っ掻いては、また撫でる。

    背中に粘液の冷たさが這い上がり、肩甲骨の間に触れたかと思えば、次は鎖骨をなぞり、喉元に柔らかな触感を残す。

    触手のぬめりが、冷たさとともに皮膚を覆い、じっとりとした感覚が肌の上に残る。

    触手は優しくも執拗に、決して急がず、じわじわと正義を追い詰めていく。逃れる術もなく、ただ震え息を呑む正義を試すかのように、ゆっくりと、しかし確実にその存在感を刻みつけていく。

    触手はまるでもっと声を引き出したいとでも言うように、さらに動きを重ねた。

    肌の輪郭に沿って蠢き、微かに締め付けては震える皮膚をくすぐる。

    その感触は絹糸が脳髄をなぞるかのように気味悪く、しかし甘美な疼きとなって胸に広がる。

    止まらない刺激に羞恥心が理性を覆い隠した。
    声を堪えようとするその震えを感じ取り、触手たちは、這い、撫で、吸い付き、くすぐるように蠢いた。

    声を抑えようと必死に唇を噛むが、その仕草が逆に悦びを引き出したとでも言うかのように、触手たちは動きを早め、服の内側を這い回る。背中をなぞり、腹の窪みを優しく撫で、柔肌をくすぐる。

    「は……ぁ……っ、や…………。」

    漏れ出た声は、未知の生物に抗いきれない恐怖と屈辱、そしてわずかな絶望を含み、静まり返った部屋に小さく響いた。理性が軋む音が心の奥で響く。
    もがいても逃れられない感触が、羞恥と屈辱の涙を目尻に滲ませる。

    しかし触手はその微かな声すらも楽しむように、動きをより繊細に、より深く重ねる。蠢きはまるで音楽のように緩急をつけ、正義の皮膚を撫で回していく。

    耳の後ろ、首筋、鎖骨の窪み。
    柔らかな触感でゆっくりとなぞり、肌にひやりとした感触を残していく。

    「くっ……う……。」

    唇を噛みしめ、喉をきつく締めるようにして、正義は必死に声を抑えた。

    触手は柔らかく、しかし決して逃れられない蠢きで、服の中をくすぐるように這い、脇腹をかすめる。

    肩に這い上がったかと思えば鎖骨を優しくなぞる。同時に腰に這い上がった触手は太ももの際に巻き付くと鼠径部を引っ掻くように撫で回す。

    (……なんで………そんな敏感な所ばかり。)

    息を吸い込むたび、微かな粘膜の冷たさと湿り気が肌に絡みつき、微かに吐息を震わせる。

    心の中では羞恥と恐怖が渦巻き、「声を出してはならない」「堪えたい」と理性の声が響く。

    しかしその理性の声は、触手が齎す皮膚に走るかすかな電流のような感覚に、徐々に蝕まれていった。

    「っ……ふ…ぅ…。」

    喉の奥で声が震え、浅い呼吸が漏れる。
    喉をかきむしるような羞恥心に、正義は目をぎゅっと閉じ、歯を食いしばる。

    (…堪えろ……堪えろ。)

    必死に、心の中で何度も唱える。

    しかし触手は、その心の声すらも愉しむかのようにさらに執拗さを増していく。

    脇腹を先端で引っ掻き、胸腺を撫で、甘ったるい吐息が漏れるのを望んでいるかのように、絶妙な力加減で肌をくすぐる。

    正義は必死に声を堪えるがその震えは隠せない。

    肋骨のあたりをゆっくりと這い回り、太腿の内側をぬめる先端がそっと撫でる。肩をなぞり、うなじに冷たい触感を残し、首筋を這う。


    「……っ、うぅっ……。」

    漏れ出るは言葉にならないかすれ声。
    触手は身体のあちこちを撫で、くすぐり、引っ掻き、吸い付き、そして蠢き続ける。
    その動きは決して荒々しくはなく、むしろ意地悪なほど繊細で、心をじわじわと締め付けるようだった。

    「………ゔぁっ。」

    小さな声を漏らすたび、羞恥が胸を締め付け、顔を顰めた。


    「……はぁっ……はあっ………。」

    「……くっ……!」

    触手は正義のかすかな震えに応えるように、さらに柔らかく、的確に弱い所をくすぐるように動き回った。

    耐えきれない羞恥と屈辱に汗が頬を伝う。身体は震え、股の間に熱を帯びた粘膜のぬめる感触が入り込むたび、理性の壁が崩れていく。必死にこれは快楽ではないと訴えるが、慈悲のない刺激と繊細な愛撫は、その声を、思考を容赦なく掻き消していく。

    部屋の中には、喘ぎ声とも呻き声ともいえるような苦しげな吐息、粘液と肉が擦れる音がひたすら響く。

    息を吸うたびに、喉の奥が震え、吐息が熱を帯びていく。

    「……っ!……うぁっ……っ……。」

    声を必死に堪える瞳に滲む涙。

    身体は快楽と羞恥、屈辱に震え、逃れられない絶望に精神は今にも瓦解してしまいそうだった。

    液体は次から次へと溢れ出て、真っ白な床をねずみ色に汚した。

    触手は必死に心の奥に沈めていた羞恥心や弱さを、無遠慮に掘り起こしては無慈悲に弄る。

    喘ぐ声は震え、涙が頬を濡らし、呼吸が荒くなる。
    羞恥心が理性を焼き焦がし、全身が絶望の熱に包まれる。

    「………はあっ。はあっ…。」

    正義は力を振り絞って、拘束から抜け出そうと再び身を捩る。
    無理やり飲まされた粘液の効果が薄れてきたのか、身体が先程よりも動くようになってきた。

    それが気に触ったのだろう。
    四肢を絡め取っていた触手が、いきなり力を込めて締め付ける。

    「………っ!うぁ……!!」

    腕を動かそうと力を込める——が、その動きを察知した触手がさらに強く巻き付き、まるで蛇に絞め殺されるように、じわじわと締め上げる。

    「……!!」

    ミシリと骨が軋む音がした。激痛が駆け抜ける。

    息が詰まる。

    脚もまた、暴れようとするたびに強く締め上げられ、足先から感覚が奪われていく。

    (……まずい……このままじゃ……。)

    だが、暴れることをやめれば、それは即ち異形の存在の支配を受け入れることと同義だ。

    それだけは嫌だった。

    しかし、身体は正義の意思とは関係なく、徐々に力を失っていく。

    肺が圧迫され、酸素が足りない。視界の端が揺らぐ。

    心臓の鼓動が、異様に大きく響く。

    (………呼吸ができない…。)

    次第に───正義はぐったりと大人しくなった。


    力強い触手が動かなくなった正義の両肩を捕らえ身体を床に押し倒す。力を振り絞り、もがき逃れようとするも四肢は次々に纏いつく触手に再び絡め取られ、わずかな抵抗も空しく、無力に沈んでいった。

    床に押し倒された正義の身体は、まるで糸の切れた人形のように力なく横たわっていた。
    無防備に晒された両手両足はまるで柔らかな蔦に絡め取られたかのように巻取られ、力なく震えている。

    冷たく硬い床の感触が腹に押し付けられ、その上から伸びる触手の数本が、まるで蛇のように這い、全身を押さえ込む。
    触手の一本が、ゆっくりと袖から脇へと滑り込んでいく。冷たくぬめる感触が、無防備な柔肌を撫で回すたび、全身の神経が逆立つ。抑えようとしていた声が喉元までこみ上げるが、羞恥心がそれを押し留め、震える息だけが零れ落ちる。

    だが触手はさらに細い触手を何本も脇の下に這わせる。神経の集中した敏感な箇所を、爪の先で嬲るように、時に鋭く、時にそっと撫で、かすかに引っかき、快楽を引き出すかのようにくすぐっていく。

    そして、別の触手は足元を這い、くるぶしからふくらはぎ、膝裏へと、冷たくも柔らかな感触を残しながら、まるで虫が肌を這いずるように、あるいは爪先が軽く肌を引っ掻くように、ゆっくりと這い上がる。

    「っ……ふぅ、ぁ……!」

    反射的に足を引こうとするが、力は入らず、ただ無様に震えるばかり。

    触手はまるで新しい玩具を愉しむかのように、肌を撫で回し、絞めつけ、かすかな反応に呼応して動きを変える。くすぐったい刺激と圧迫感が交互に訪れ、心の奥に張り詰めた糸を、じわじわと引き絞る。

    そして、さらけ出された無防備な足裏に、一際細く柔らかな触手がゆっくりと近づいた。

    ぬるりとした感触が、まずは足裏の縁をなぞり、感覚を際立たせる。

    思わず力が入る足先。触手はその反応を愉しむように、さらに細かい動きで足裏をカリカリと引っ掻き始める。

    その感覚はまるで羽毛の先で肌をなぞるような、あるいは蟻の小さな群れが這い回るかのようだった。

    (……くすぐった…い…!)

    思わず頬がぴくりと歪んだ。
    そんな心の叫びを嘲笑うかのように、触手は足裏に忍び寄り、ぬるりとした先端が指の間を這い回り、足裏をそっと撫で、吸い付く。微かな感触が、神経を逆撫でし、羞恥と屈辱の狭間で理性を揺らす。

    柔らかな白い皮膚に、くすぐられる感触と薄い痒みが交互に訪れ、耐え難い刺激となる。触手は、指の腹、土踏まず、かかとを細かくなぞり、さらに湿った先端をそっと吸い付かせ、舌先のような感触で指の股を弄ぶ。

    笑うに笑えず、震える声を上げれば屈辱が心を焼き焦がし、堪えれば苦痛と羞恥の波が胸を締め付ける。

    「……ひぅっ……………………っ。」

    理性という糸を張り詰めて抵抗するも、羞恥と無力感の狭間で、その糸は次第に解け始める。冷たくもぬめる感触が、敏感な足裏を弄り、くすぐられる刺激、冷たさ、柔らかさ……それらが混ざり合い、理性の壁をじわじわと崩していく。

    触手は反応を愉しむかのように、さらに激しく足裏を引っ掻き、指を絡め、水音をたてて吸い付く。同時に細い触手が脇の下、背中、腰、太ももを這い回り、太い触手に絡め取られた足裏はまるで羞恥と屈辱の証として好き勝手に弄ばれ、もはや大きな声を上げる寸前まで追い詰められていた。

    足指の間を這う柔らかな先端が、ゆっくりと滑り込み、足裏を繊細に撫でるたび、ピリピリとした感覚が神経を逆撫でし、甘い声を喉の奥に詰まらせた。

    触手は足裏を引っ掻き、蠕動を繰り返しながら、正義の身体をじわじわと責め立てていく。

    しかもその動きは決して単調ではない。触手は獲物の弱点を見抜くように、ゆっくりと上半身へと這い上がっていく。

    細い触手が服の袖や裾に忍び込み、指先のように肌を探るたび、くすぐったさに耐えきれず腰が小さく跳ねた。

    一筋の細い触手が、首筋を撫で、後頭部を探りながら、ふわりと耳に触れた。その触れ方は、薄氷を溶かす春の風のように優しかったが、それは冷たくぬめる粘液を纏っており、触れられる度に妙な居心地の悪さを感じた。

    次第に触手は柔らかに蠢き、耳の中にかすかな感触が忍び込む。

    「…………!」

    声を堪える唇は震え、思わず涙が目尻に滲む。

    「───っ!!」

    触手はそれを知ってか知らずか、正義の耳たぶをそっと引っ張り、螺旋状の軟骨をなぞり、縁取るように撫でる。

    羞恥に紅く染まった頬が冷えた床に擦りつけられ、触手のぬめる感触が髪を優しく梳かし、耳元にぬるりとした先端が忍び寄る。耳の裏を撫で、耳孔にそっと触れたその感触に、理性の残り火がかき消されていく。

    触手は耳奥にそっと先端を差し込み、ほんのり温かい粘膜のような感触を押し当てながら内耳をぬるりと撫でる。

    それはまるで息を吹きかけられているような、甘い刺激だった。

    痺れるような感覚。
    耳の奥で鳴る水音に微細な振動。

    それが身体全体に気持ちよさとくすぐったさを伝え、背筋を這い上がらせる。

    「っ……ぐぅ……ふ、ぁ……っ。」

    耳を好き勝手に弄ばれる。

    口元から漏れ出すのは、悲鳴ともいえる喘ぎ声だった。
    耳元では柔らかく濡れた感触が囁くように音を立てている。

    頭ではこれは非人道的な拷問だと理解している。
    しかし、与えられる刺激と柔らかな感触は優しく甘美な快楽として脳を侵食し、その境界を次第に曖昧に溶かしていく。

    (ダメだ……このままじゃおかしくなる……。)

    触手は耳を優しく撫で囁きかけるような振動を送り込み、反応を愉しむように微細な動きを繰り返す。そのたびに、正義の心は羞恥と屈辱、そして逃れられない快感にじわじわと追い詰められ、その度に羞恥心が胸を満たし、全身を震わせる。

    「……くっ…そ……………。」

    声がかすれる。
    もう許して欲しい。そんな言葉にならない懇願が喉を震わせる。

    「………もうっ……やめっ……………あっ…。」

    涙混じりの声が漏れる。

    理性が保とうとする最後の一線が、触手の甘い愛撫によってじわじわと溶かされる。
    正義は力を振り絞り、もがこうとするが、触手の動きはあまりにも巧妙で、四肢は縛られ絡め取られて、床に無力に押し付けられていた。

    「………っ………お願い…だから……もうやめてくれ。」

    泣き声混じりの微かな悲鳴が漏れるたび、触手は声に応えるかのように、まるで甘い調べを奏でるかのごとく、細い動きで耳を弄び、脇腹や太腿を這いまわり、優しくくすぐり撫で回す。羞恥と屈辱、そして理性を揺さぶる快感が、渦巻き、ねじれ、心の奥底に染み込んでいく。それは自分が自分でいられなくなる感覚。気付きたくなかった、快楽が目覚めてしまうような感覚。伏せる頬は羞恥に染まり、床に涙と汗がぽたりぽたりと滲んでいく。

    歯を食いしばるが、甘い快感と屈辱の狭間で、意識は朦朧とし、最早声が溢れ出でるのが止められない。

    触手の愛撫は止まらない。耳朶を優しく撫で、首筋にピンク色の粘液を残し、手足の皮膚を繊細に擽り、欲望のままに無防備な下半身を包み込んでは心を溶かしていく。

    触手の愛撫は理性を根底から切り崩す優しさと冷たさを併せ持ち、身体の奥深くにまで浸透していくようだった。

    こちょこちょと撫で回し、纏わりつき、耳元で厭らしい水音を注ぎ込むたび、精神は少しずつ、少しずつ、確実に砕けていった。

    「……っ……はあ……も、いや……だ……。」

    涙声と共に、意識の縁が崩れ落ちる。
    目は虚ろになり涙が頬を伝う。

    羞恥と絶望、屈辱と快感、そのすべてが入り混じり、心の奥底で何かがぷつりと音を立てて切れる感覚がした。
    思考は混濁し、喉の奥からは嗚咽にもならない乾いた嗤い声が零れる。

    「……ぁっ………はははっ……。」

    ぐちゃぐちゃに泣きじゃくる声が、やがて喉を震わせることもできなくなり、粘液の柔らかな重みと氷雨のような愛撫に全身が沈み込み、理性の最後のひとひらが消えた瞬間、正義の意識は儚く、闇へと溶けていった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator