地獄の8-2(適当)久々に『魂ごと貫ぬかれた』のでは、と感じるほど凄まじい痛みに思わず体が震えた。
「山姥切!」
切羽詰まった声で名前を呼ばれた気がしたが、それが一体誰の声かまでは、その時の俺にはわからなかった。
けたたましく鳴る鐘櫓の鐘の音に皆が動きを止める。それが一体何を意味するのか、わからない者は最近参入した新入りの刀剣男士だけだ。「何事だ!」
そう言いながら廊下に出てきたのは最近特命調査からやってきた水心子正秀。共に配属された源清麿もざわつく周りの刀剣男士を見ている。
それまで穏やかに流れていた本丸の空気が一気に変わり、他にいた刀剣男士達の顔付きや雰囲気が鋭いものに変わった事を、新参者の二振りにも容易く感じ取れた。
2484