・1つめのほう
私は「改変」と「折り合いをつける」は対立する価値観ではなくパワーバランスの結果だと考えました。
分断作戦で対長男を引き受けるのがショートになったのは、ショートおよび周囲の圧力とのパワーバランスにエンジが敗北した結果です。つまりエンジは折り合いをつけざるを得なかったのです。
れいさんは現況を改変するためにエンジから身を挺してショートを守ろうとしています。これは妥協点を見つけるということでは無かったと思います。
折り合いを付ける派と上げられていらっしゃる人達はエンジとのパワー対決に最初から敗北している(と思わされている)ので、結果として家庭内ではエンジの欲望と折り合いをつけて生きていかざるを得ない。
そして社会というのは誰もが折り合いをつけることで機能しています。ヒーローという存在が超法規ではなく社会に組み込まれて組織化されている以上、妥協点を探らざるを得ない事もエンジにはいくらでもあったと思います。
なので、エンジには折り合いをつけるという事が受け入れ難いとは私には思えないのです。
エンジは己が実は弱い人間だと知っていて、それが顕になることを恐れています。
そのため、自己投影している他人に対して「弱い」(腕力・個性・社会的立場その他色々)という状況に甘んじていることに軽蔑を抱き、改善せよ・さもなくば死という圧力をかけがちな人間だとは思います。
「強くあること」をショートやトーヤに特に求めていたのは、自己投影しやすい対象だったからではないでしょうか。だからこそ「弱い自分」を想起させる夏くんや体質判明後のトーヤくんを見なくなくなったんじゃないのかなと思います。
その傾向は確実にトーヤにも引き継がれていて、弱い自分を恐れるあまりレイさんに自己投影した上で立場が弱いことを揶揄する発言をしてしまったのかなと私は思っています。
長くなってすみません。
価値観の衝突でお互い譲れなかったとするのももちろんアリだと思います!
・2つ目のほう
夏くんしか味方になりそうな家族がいなかったというのはそのとおりと思います。
それでエンジ・自分と同じ「男」という括りで夏くんに対して「うちの女は」という言葉を選んでたのかな…とも思います。
で、ここからは私の妄想なのですが…
もし、夏くんが女の子だったらどうだったのだろう…?と思うのです。
わたしはトーヤは夏ちゃん(仮)に泣きつく事はなかったんじゃないのかなと思っています。
諦めない気持ちを否定してこない相手であったとしても「女」に理解してもらおうとはしないんじゃないのかな…?と。
トーヤにとって性別ってわりと重要な要素だったのではないのか、なぜならエンジが見てくれる(自己投影しやすい)対象って、やっぱり男だろうしな〜と考えています。
とろろき家の女性たちはエンジから期待されていませんが、その事を気にしていない(ように見える)し、気にしないようにも言ってくる。
それがトーヤをして「ダメダメ」と言わしめている原因かな〜とわたしは考えました。
トーヤのとろろき家の女性への蔑みはそれなりにあって、それもまたエンジ起因というのが今のところ私の自論になります。
同じ男性である夏くんが女性達と同じようにエンジのことを気にしないようになるのは、トーヤには自分の心を否定されるようで辛い事だと思います。
それでネチネチ夏くんに自分たちは「男なのに」見てもらえない、これは気にしなければならないことだと吹き込んで自分を肯定してくれるようにしていたのでは…?とも思っています。
結局夏くんはエンジからの期待がなくても別に良いという態度で育っています(表向きは)。どこまでそれが荼毘に伝わっているかは分かりませんが、裏切られた気持ちになって切り捨てても良いとなったのではないかな…と思ったりです。
とはいえ彼は完全に狂人なので言動や心情に一貫性があるとは限らないわけで、ただの衝動と成り行きで夏くんへの加害も良しとしたのかもしれません。
エンジの期待が得られないと生きる意味がないというトーヤの偏執を家族は手放させたかったのだと思います。諦めないという傾向自体をすべて否定しているとは私には思えませんでしたが、トーヤからしたらどちらも同じなのかもしれません…。
これで回答になっているのか謎ですが、とりあえずお納めいただけたら幸いです。
メッセージありがとうございました!