jhonshi
見返りを求めるなんて!
俺が視力を失った時 世界が終わったと感じた 文字通り全て見えなくなった。目をえぐられても息をしていられることが信じられなかった。
意識がはっきりして一番最初に聞こえた音は、ひどく悲しそうな男の声だった
「ケンシ、痛いか?」
俺の世界は終わったんだ もう何も見えない
全ての選択肢が、一族の未来が、見えない。
こんなに呆気なく奪われてしまうのか 。
次に感じたのは 傷口が染みる感覚 怖い 真っ暗だ
もうこのまま死んでしまいたかった。
「お前は俺の人生を救ってくれたんだ」
しばらくして聞こえたのは、俺の絶望とは裏腹に、真っ直ぐ 強い言葉だった。
「…けんし…………ケンシ!」
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