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    なずぅ

    @tezukuri_7zoomi

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    なずぅ

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    クッキーを仲良く分ける話。優桜書きたくなって突発的に書いたので途中。優の一人称、僕と俺はわざとです。僕というのは学校での猫被りですね。

    ##優桜

    無題優桜

    俺たちはさっきからベッドの上にいる。別にこれから何か起きるだとか、もう起きたとかではない。俺の兄は隣で寝転がりながら明日の小テストの範囲のページを読んでいた。
    「……あ」
    桜が口を開く。俺はベッドの近くの机から、置いてあるクッキーを取り、その口にそっと入れてやる。彼の視線は変わらず教科書の字をなぞっている。
    「…………なんでプレーンばっかなんだよ」
    「え? プレーン好きでしょ」
    「チョコだろ普通」
    チョコのクッキーはここには置いてないのだが……。今日学校帰りに買ってきたパン屋のクッキーの味はプレーンと抹茶のみである。
    「今度あったら買ってくるよ」
    「よろしく」
    彼の目は真剣に教科書を見ていた。暗記を得意とする桜だが、今回は覚える部分に漢字が多いので苦手とするらしい。僕は幸い、普段から復習を怠らないので特に勉強しなくても8割の点を取れるのだ。
    ちなみに今俺は何をしているのかというと、桜の脚置きになっている。
    もう学校から帰ってきてベッドにいた桜。俺が帰ってきた後、ベッドに座ったと同時に、その膝の上に脚を置かれてしまった。その時はインスタを見ていたので気にならなかったが、動けない状態のままなのも疲れる。本当は脚を退けてほしい。
    「あ」
    「抹茶」
    口に放り込んでやった。
    「なんで抹茶なんだよ」
    「抹茶嫌いだったっけ」
    「普通」
    ……俺の買ってきたクッキーを食べさせてあげてるのになんで文句しか言わないの。桜にあげてばかりだと俺の分がなくなってしまうので、本来は俺のために買ってきた抹茶をいただく。
    「抹茶美味しい」
    程よい甘みとふわっとした香りが良い。口の中で解けていく儚さに寂しさを感じ、リピートしたくなる。今度行った時にまた買ってこようか。
    「あ」
    「プレーン」
    「抹茶」
    「はぁ、抹茶はあと一個だから無理」
    「あと一個あんだろ」
    「これは俺のだよ」
    さっき抹茶のこと普通って言ったくせに何を。
    「さっき味わって食ってなかったんだよ」
    「言い訳だよ」
    「じゃあ半分」
    「いやだよ、こんなにかわいいクッキーを半分にするなんて」
    残りの一個の抹茶クッキーを手のひらに取る。その大きさは軽く手を握れば見えなくなってしまうほどだった。
    「あげない」
    俺が口にクッキーを咥えた瞬間、ぐんっと手を引っ張られて桜の方へ倒れた。
    「なっ」
    驚きで声が出て、口からクッキーをこぼしてしまった。そのクッキーを上手に拾ったのは桜だった。ちょうど半開きにしていた口の上にハマったようだ。
    「ふ」
    「な……に笑ってんの」
    「たへてもいいのか?」
    「駄目だよ」
    「でゃあくえよ」
    クッキーを咥えたまま、かろうじて通じる滑舌で桜が喋る。どうやらクッキーは口で半分にするしかないようだ……。
    「はむ」
    口をつけ、クッキーに弱く力を入れて半分に割る。桜の吐息で柔らかくなったクッキーは、ほろ……っとすぐに割れた。
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