『太陽の悪戯』「暑い…」
その一言で部屋の温度が上がった気がするのは気のせいだろうか。
我進ギルドのビル中央階のオフィスは現在エアコンが故障しており、太陽の熱がしっかりと実感できるほどの暑さ。
外気温は40度を超え、コンクリートで出来たこのビルの中はそれ以上に暑い。
「も、諸菱くん……扇風機…」
「は、はぃ…」
書類にぽたりと汗が落ちるが、気にせず置いてあった扇風機の頭を旬の方へと向ける。
「あぁ~……」
「今日は暑すぎますね……もう家に帰りたい…」
「家に帰っても、暑いだろ……」
「それもそうでした…」
先日ダンジョンブレイクしたゲートから一匹のモンスター。対して強くないD級モンスターだったか、すばしっこく中々捕まらなかったのか特徴だった。そしてなにより、人間を狙うのではなく何故か室外機。
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