距離感(ギャグ)「王よぉおおおおお!!!」
「煩いッ」
お前もかっと言いたくなるフォルム。何処から湧き出たのか、既にイグリットの隣に居るベルは、涙目になりながら「私の姿がっ」と泣きじゃくる。
「…触覚はあるんだな…髪だけど」
「心配するところはそこですか王よッ」
というかなんでお前も全裸なんだ…とツッコミたくなるが一旦飲み込んでおく。
「とりあえず話の続きなんだが……」
「王よ…私にも服を…」
何処かで聞いたことがあるセリフだな、とまた声に出そうになる。「そのままでいいだろうと」答えると「コイツは良くて私には無いんですか…ッ!酷いですッ!」と言われたので渋々と服を渡す。段々数少ない私服が無くなってきたのを見てまた溜息をする。
「流石にもう出てこないよ――――」
「?」
イグリットとベルの丁度真後ろに、それは居た。
全裸かと思いきやちゃんと服を着ている。
髪は白く、ベルよりかはだいぶ短い髪。顔の傷痕と、胸の傷痕がしっかり見える。にしてはその恰好は防寒になるのか分からないが機能は絶対しないだろう。
「お前…タンクか…?」
「!」
万遍な笑顔で旬の体に突撃し、抱き着く。
「ちょっ…!」
その衝撃で旬は後ろに倒れてしまうが、タンクは胸の方にすりすりと顔を擦りつけていると、突然部屋の扉が勢いよく開く。
「水篠さん!諸菱賢太、ただいま到着しま………ギャーッ!水篠さんが襲われてる!」
「誤解を招く言い方をするな!」
end