「先輩、守沢先輩。」
隣に座っている高峯が俺を呼ぶ。
何だろうと、高峯がいる方に顔を向けると、ギュッと目を瞑り真っ赤な顔の高峯が目の前にいた。そして、チョンっと高峯が俺の鼻に自分の鼻をくっ付けてきた。何だか、海外の挨拶みたいだなぁなんて思ってしまい、笑みが零れてしまう。
「高峯」
高峯が恥ずかしさで逃げてしまう前に、彼の両頬を手で包み、鼻はくっ付けたままスリスリと擦り付ける。
もう少しで口と口が触れ合おうとしても届かない小さな距離感がもどかしいが悪い気はしない。
「せん、ぱい。守沢先輩.....。」
「んー、どうした高峯。」
高峯がそっと俺の手に自分の手を重ね、甘えるように俺の手のひらに擦り寄る。
「キス、したいです。」
恥ずかしさで目を潤ませながら高峯は小さな声で俺に言う。
ああ、愛おしさでいっぱいだ。
「ああ、いいぞ。」
ふにゃりと嬉しそうに笑う高峯。
俺は高峯の唇に甘く食むようにキスをした。
一度口を離してからお互いクスクスと笑い、またもう一度とキスをした。