カラメルの徒花②*
「ん…、ぅ、ぁん、…っ」
「んん、ん、ふ…っん…」
まるで飢えた獣が獲物を貪るように、普段よりか細く高く苦しげな声を上げる福島の口内を堪能する。やがて実休が名残惜しさを感じながらもそっと顔を離すと、唇から細い糸がつ、と引きプツリと切れた。
「ぐ…っ、はぁ、は、っ」
咳き込みながらズルズルとその場に崩れ落ちそうになる福島の体を支えながら共にしゃがみ込む。赤い顔、上がる息、濡れた唇。先ほど見た時よりもずっと美味しそうに見えたが、もうこれ以上齧りつこうとは思えなかった。彼の背中を支えつつ声をかける。
「福島…福島」
「はぁ、はぁ…は…、お、まえ…っ」
「…ごめんね」
支える手をパシリと払いのけ、ギッと睨まれる。
1966