外では雪が完全に溶けてるころ、L社内で発泡音が鳴り響く
別の部屋から聞こえる話し声は止まず時折怒鳴り声が響く
大きな芋虫を前にイェティは一息つく
休憩中であろう職員が走ってくる足音がする
息を切らせて飛び込んで来たシャクは我先にと芋虫に齧りつく、よほど腹が減ってたのだろう、雑に皮等の硬い部分を剥がしている
(勿体ない…)
話し相手も居ないイェティは小さな芋虫を手に取り観察する
丸く曲げた時に身が良く見える、それを利用して硬い部分を剥がす
綺麗に剥がれた硬い部分を片手に身をシャクに渡す
シャクは流れるように食べた後ハッとイェティを見たが既に1匹の小さな芋虫と剥がした部分を持って廊下から出ていった後だった
部屋の隅で名のない死体を食べてるグソクが物珍しく見てくる、気にせずどの入れ物に芋虫を入れようと迷ってるといつの間にか食べ終えたのかグソクが近づいてくる
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