ほしのこさにわぶわりと花びらが舞う。
具現された事を理解した僕は瞼を開き、目の前の相手……主に向かって名乗りを始める。
「やぁ、僕は歌仙兼定。雅を愛するぶんけ………」
「ぷえ」
間。
人間の形で、人間と思えない音を出したそれに首を傾げた。
幼い子どもに見えるその子は髪が真っ白で、肌は陶器のようだ。胸元からは謎の光を発している。そういうデザインか?
横にいる管狐、こんのすけを見るとラフレシアの世話を任されたかのような顔をしていた。ラフレシアの世話を任された顔ってなんだ。
「ぷ、ぷ、」
「え、な、なんだい」
何故か真っ白な蝋燭をこちらに差し出してくる。
意図が分からず視線でこんのすけに助けを求めた。
「受け取ってください」
「な、何故」
「受け取らないと分かりません、いや私も理解出来てません。兎に角全部受け取ってください」
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