体育祭の実行委員になんてなりたかったわけではない。
聖ルドルフは内部進学だから自主性を認められての内申が受験に役立つことはなく、ただ労力と時間を取られるだけだ。学校行事に対して無関心に徹するつもりはないが、かといってクリスマスの礼拝でテノールのソロを担うような栄誉とは違うから気乗りするわけでもない。
しかし、気づけば観月は立候補していた。クラスメイトたちが押し付け合うのを見ていて苛立ってしまったというのもあるし、部を引退して多少エネルギーを持て余していたともいえる。
引き受けたことを後悔するくらいの、退屈な打ち合わせと煩雑な雑務に追い立てられて、日々はいつも以上に早く過ぎ去った。
体育祭本番がいよいよ明日に迫り、倉庫がわりになっている体育館で備品の最終チェックをするのが実行委員の前日最後の仕事だ。
1922