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    ponpontatsuta

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    20↑けあきが好き

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    けあきのあゆみ
    僕たちは生きてる

    デリシャス・イン・マンション 食べることは生きることだ。生きることは楽しいことだ。
     そう思えたのはあの夜のお陰で、それまではただ生きるために食べていた。楽しいなんて思ったこともない。
     バイトの掛け持ちや力仕事でたくさん食べてはいたけど、それだけだ。それが変わったのは、変えてくれたのは、ほかの誰でもない、僕の相棒。KK。
    「本当によく食うよな」
    「うん、美味しくてさ。美味しくて美味しくて、止まらないんだ」
     アジトで作った山盛りのチャーハンをかき込む。笑う声がして食べるのをやめると、KKが笑っていた。
    「それでどうして太らねぇんだよ、オマエ。腹の中にブラックホールでもあるんじゃねぇのか」
     食べ物で一杯になってるお腹を両脇から押さえられて、僕は苦しさよりもくすぐったさで笑った。
     おかしくて、くすぐったくて、僕は笑う。口の中がちょうど空で良かった。思いっきり笑える。
     KKと共にあることが幸せで、嬉しくて。また、お腹が減る。
     ブラックホール。本当だ。
    「ねぇKK」
    「おう?」
    「本当にブラックホールがある気がしてきた。ねぇ、お腹に栓してよ。このままじゃ、どうにかなっちゃうかも」
     僕の脇を押さえていたKKの手の上から、なぞるようにして手を添える。添えた手を滑らせて、ゆっくりと指を絡めていく。
     恋人の繋ぎ方。こんなふうに、相棒にはしない。
     でも、KKには。
     あんたには、こうしたい。
    「暁人……」
     KKの喉仏が上下する。唾を飲み込んだのが分かった。僕の、したことで。
    「オマエ、本当に暁人か」
    「そうだよ。誰だと思ったの」
    「夢魔」
     昼に見る夢なんて、願望でしかないのに?
    「だったらどうする? KK」
    「怖ぇな。これが夢でも現実でも、もう止まれねぇ」
     夜に見る夢の内容は忘れた。でも、間違いなくこれが欲しかった。
     食べることは生きることだ。生きることは楽しいことだ。
     だから僕を生かして。生きる楽しみを教えて。
    「ねぇ、ブラックホールに栓したら、どうなっちゃうのかな」
     KKは答えない。僕もこれ以上、何も言わない。だって、楽しくて。
     僕を手に入れるのが怖いなんて、そんな、可愛いことを。
     舌打ちの音がして、KKの唇が僕の唇を食べた。
     ねぇ、たのしいね。
     僕たちは、生きている。
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