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    ponpontatsuta

    @ponpontatsuta

    20↑けあきが好き

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    けあきのあゆみ
    何度だって

    プレゼント(けあきデー)「デパートの父の日コーナーで見かけて、何かいいなって思って……」
     父の日に暁人がプレゼントを寄越してきた。年が離れてるとはいえ、恋人相手にこの日付でプレゼントかよ、と思ったりもしたが、暁人の家庭環境を思い出してそれもありか、と思い直すなどしたオレは何とも優しいと思う。
    「ネクタイねぇ」
    「気に入らない?」
    「いや、いいんじゃねぇか? オレじゃ選ばないようなデザインだが、悪くないぜ」
     ネクタイは紺と灰と白の斜めに走った太めのストライプが洒落ていて、普段使いするより次に二人で出かける時に付けたほうがいいな、とオレをニヤけさせる代物だ。暁人は若いし、センスがいい。オレにセンスがないとは思いたくはないが、若者の暁人からすれば古臭く感じるところもあるだろう。だからこうして暁人に何かをプレゼントされたり、コーディネイトに口を出されたりするのは、正直悪くないと思っている。むしろ好ましいくらいだ。
    「ネクタイってのは、贈る時に特別な意味があるんだろ? 追加でオマエをプレゼント、なんてのはないのか? 暁人くんよ」
    「えっ……」
     暁人の顔がさっと赤く染まる。本当に「目に止まった良いもの」をオレにくれるだけのつもりだったらしい。オレは楽しくなって、暁人の腰に腕を回した。普段から「KKは声が良すぎるから、気を付けて喋って欲しい」と言われていたことを思い出しながら、オレは暁人の耳元で囁く。
    「なあ、どうなんだよ。分かってるとは思うが、オレはオマエの父親じゃないんだぜ?」
    「……もう! 分かってるくせに! だいたい僕をプレゼントっていうけどね……もう持ってるでしょ……!」
     暁人はオレを押し返すと、耳まで真っ赤にしながら踵を返し、台所に駆け出した。洗い物を始めた暁人は、もうオレと目も合わせない。
     可愛すぎないか?
     オレはうっかり顔がニヤけまくるのを感じながら、手で顔を隠した。仕方ない。もう、これは仕方ない。
    「暁人!」
     沈黙で返されるが知ったことか。
    「今夜はイケナイコトしようぜ」
     そう言って、寝室に引っ込む。盛大に食器がかち合う音がしたが、暁人の拒む言葉は返ってこなかった。オレは暁人からのプレゼントを脇机に置くと、ベッドに腰掛ける。
     やがて食器を洗った暁人が、恥ずかしそうな顔で寝室のドアを開けてくる。もしかしたら挑むような顔か。
     どちらにしろ楽しみすぎて、オレはドアを見つめてほくそ笑んだ。
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    recommended works

    tsukino_fuki913

    DONE6月30日のJB Fes無配の「Let’s have a pizza party !」、9月1日のGood comic cityで無配予定だった「Summer Days!」、そしてその続きのDKさねぎゆのお話です。

    さねぎゆがメインですがその他のキャラクターも出てきます。

    イベント後夜祭期間中、パスワードなしでの公開です。

    後日、pixivに掲載する予定です。
    Fall in LOVELets have a Pizza Party!

    「なんでイチイチ俺にかまうんだよォっ!」

     月曜の教室に響き渡るのは、俺の叫び声。そんな声の原因はコイツ、冨岡義勇だ。

     コイツは、俺が通う中高一貫の私立の男子校に、高等部から編入してきた。武道系に力を入れているうちの学校に剣道の特待生として編入してきたのだが、めったにそういうやつはいない。そもそも中高一貫で、他の中学や高校に比べると教育のカリキュラムも複雑で、スポーツ推薦を希望していたとしても編入試験で落ちるのが関の山だからだ。それに、武道系での編入とは、かなり珍しい。そこそこできるやつは、小学校の頃から勉強に力を入れ、中学に行くタイミングで入学試験を受ける。そして、運動部に入ってレギュラーを目指している。いくら何でも無謀だ、と剣道の特待生での編入希望の奴がいる、と聞いたときには学校中がその話題で持ちきりとなった。何の因果か同じクラスになり、顔を見て驚いた。隣の家に引っ越してきた、何を考えているんだか分からないすまし顔のアイツだった。
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