Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    Rinakanzakihaha

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 12

    Rinakanzakihaha

    ☆quiet follow

    虹ボス反転if
    もう設定結構ずれてます。
    小説で書いてみました!

    そろそろ14巻くらいからのエメルダさん視点のほう書きます。

    虹ボス反転if2目次(?)

    順番↓
    ナオミちゃんの過去編→  ツバサ君の過去編→マイとツバサ→マイとタイスケ→  ナオミとタイチ




    私を……私を嫌いでいて……
    私に向けて、その悪口は。ほかの子に向けないで……
    はぁ?あんたをかばってるんだけど?
    やめて、いい。私なら、いいから……。
    私には嫌いな人なんていない。みんないいとこも、悪いところもあるじゃない。
    ねぇ、だから、やめて。聞きたくないの。
    お願い、お願い……。
    あぁ、ぐっちゃぐちゃ。この世界なんて、全部虚像。
    「ーーーー!」
    あぁ、はいはい。わかったわ。私はかかわらないで、聞かなきゃいいだけなのね。
    私のことなんてどうでもいいのね。本当は。
    ただ自分が、そういいたいだけよね。
    うん。わかった。
    もう聞かないね。私、がんばって届けないようにするね。



    そう決めた日。私はある人に出会った。
    それが、「ゼイメルク様」。
    私に、二度と苦しまなくていいように、魔法のヘッドホンをくれた。
    私、幸せだ。もう全て捧げていい。
    そう喜んでいた。

    ナイトメア。悪夢が始まるまでは。
    「ナオミ。ゼイメルク様からの命令です」
    突然そう言いに来たのは、ナイトメア最高管理者を名乗る女性、『雨』だった。
    「ナイトメアがはじまる。イベントのボスとして戦え、と。まあ、人間たちがたどり着けるかしらないけど」
    最後のほうはぼそっと付け足した。
    イベント? なんのこと? 戦うって……いやよそんなの。
    「それともなに?「ゼイメルク様」の命令に背くの?」
    「そっ、そんなことは!」
    そんなことしたら、私はまたあの日々に戻らなきゃ……!
    「じゃあ、よろしく。アスカ」
    「はーい」
    アスカ?だれ? というか、よろしくって? だれ?
    「え……やっ、なんでっ」
    ころ、される?
    アスカと呼ばれた女性は小さなナイフをもって、近づいてくる。
    「なに、なにするの」
    「あなた、ただの人間じゃん?だからー、ナイトメアのイベントボスとしては味気ないっていうか―」
    怖い、笑顔だ、笑顔でそんなこといってのける。
    「君が強くなるためにね?」
    あ、ぁあ。あのナイフって。手術用の……。
    「いや、いやっ、まって!」
    「あぁ、ごめん。麻酔はいろいろめんどいからなしね」
    うそ、うそ。
    「やめて!やめて!!!」
    後ずさろうにも動けない。
    そのまま素早く腹部を切られる。
    「やああああ!!!!」



    魔法みたい。
    何の傷も残らない。
    なのに、私は人間じゃなくなっちゃった。
    私にできることは一つだけ。
    後から来た子に負けないように勝ち続けること。
    私に、楽な日々が続くように。


    普通の日だった。
    普通の日だったのに。
    「わかった。うん」
    ありさと滝本さんが電話にでてから、その時から。
    「私たち、殺されるかもしれない。それか、翼を殺さなきゃいけないかもしれない」
    「は……?」
    いきなりそう告げられた。
    「翼、ごめんね。後ろ向いて」
    「えっ」
    なに、何が起きてる?
    振り返ろうにも滝本さんに抑えられて動けない。
    ぐさっ
    「うっ……」
    「ありさ!? 何やってんの!? やめ」
    「翼。あのね。私は、翼を殺してまで行きたいって思えない」
    わからない、なんで、なんで。
    「なんだよそれっ!」
    「翼、幸せに生きてね」
    「ありさ!!ねえ!!!」
    どさっ
    ……嘘だろ……。
    「俺も同じく」
    「やめてよ!! ねえ!!!」
    どうしたら、どうしたらいいんだよ!
    「今日こうなるってわかってたのにな。ごめんな翼。まきこんで……」
    は? なんだよ、教えてよ!
    抑えられていた手の力が、弱くなる。
    「そだ……」
    「ねえ、なんで……。おかしいじゃん……」
    もう、振り返れた。
    あぁ……もう……。
    終わってる。
    なんでだよっなんで……なんで二人が……。
    なんで、二人じゃなきゃいけないんだよ。
    死んでる、もう。
    涙がせりあがってくる。
    「どうしたらいいんだよ。いなくなった世界でさ」
    柄にもなく声が震える。
    全部、夢ならいいのに。
    そんなこと言ったって現実だ。

    ……誰が、誰がこんな事。
    許さない、絶対に。
    その血の海に、知らない声が響く。
    『ちっ……二人とも死ぬとはな……マイ、はやくあいつを始末しろ』
    あいつが俺をさすことは分かり切っていた。





    忘れたなんて言わせない。
    絶対復讐してやるんだ。
    最後の仲間の顔を見る。
    ……ありがと、絶対無駄にしない。
    そう決めて、二人の「遺品」を手に取って。
    絶対、忘れたなんて言わせないから




    『ちっ....二人とも死ぬとはな...マイ、あいつを始末しろ』
    今まで見ていたわけでもない。いきなり呼び出されて殺しをさせられる。
    なんて理不尽なの。そんなことはもう思わなかった。理不尽なんて、当たり前。
    「はい......わかりました....」
    私に選ぶ権利なんてないんだから。
    「......」
    柄をぐっと握って相手を見据える。
    ごめんなさい。私が、あなたを。
    「何をやっている。早くしろ!」
    「い“だっ!? やります!ゆ”るしで!!」
    やっぱり無理なんだ。こんなの耐えられない。
    あなたの命のかわりに私は……。
    私こそ理不尽。そんなのわかってる。
    ごめんなさい、もう終わり。
    しゅっ
    「....」
    私はその子をにらみつける。
    外した。あともう少し早ければ。
    だって服には切れ目が入ってる。もう少しだったのに。
    もうどうしようもできないところまで行けば、あきらめられるの。
    だから早く……。
    よくよく見据えて飛び出す。
    前の私はこんな動きできない。本当に変わってしまった。
    腕を引っ張り体勢を崩させ首元に剣先をあてる。
    震える。この子のほうがよっぽど強い。だってこんな状況でも私をちゃんと見ている。
    弱いよね。私。自分のために人を……。
    視界がにじんでいく。
    なんで泣いてるの。私がなく理由なんてどこにあったのよ。
    すでに冷たい刃先が首について、怖いとしか思えないでしょう。
    動けないんだもんね。抵抗もできないもんね。
    私が絶対に勝つ戦いだもんね。
    なのにくすぶってる私を見てどう思ってる?
    やっぱり、私は__
    「い“ぃぃたっ!?」
    とっさに手を放しそうになる。
    (関係ない子まで殺しちゃうの....?)
    そんな声、聞こえないよ。痛いに全部かき消されてるよ。
    「はぁっはぁっ....ごめんなさいごめんなさい!!」
    私は誰に謝っているのか。そんなことを認識する間もなく。
    もう突き刺すために振り上げていた。
    「もういいよ、俺も二人と一緒に行けるなら.....」
    その言葉にまた止まりそうになる。
    そういってるんだよ。もういいよ。もう。私。辛い。
    だから……。
    そこまで決めても振り下ろせない。
    私、どれだけ強くつかんでいたのか。
    爪が食い込んで血が出ている。
    これから殺されることに比べればこんなのどうってことない。今までも見てきた。
    でもては震えてはなしてしまう。
    あぁ.....。
    ほら、謝らなきゃ。許してもらわなきゃ。
    私には反抗できるはずないんだから。
    あの子は、あの二人に刺さってるナイフでも抜けば、私と戦えるよ?
    だからその前に。
    また、私が生きてるだけでだれかきづついちゃう。私が頑張っても痛いだけ。
    なら、なら。もう終わらせてよ。
    涙すら....。
    殺して。
    痛いのはやだ。
    生きるのはやだ。
    もう……。
    これから一生生きてても痛いことしかないんだ。



    だから___終わらせて。そこの君。



    ぱちっ
    ......あぁ。終わらない......もう地獄.....。
    なんでかな。なんで私をささないかな。なんで私の手をとるの?
    優しいね。君は。私は殺そうとしてたのに。君の大事な人を殺した仲間なのに。
    あの日からこんな風にされることはなかった。
    真っ暗だった。
    もしかしたら、やっと__やっと私は__





    「わかりました....」
    やってきた人がそうつぶやく。
    あああの人も一緒だ。じゃあ私は...あの人は逆らえないよ....。
    私と同じなら、きっとあの人もいやでもやってしまうんだ。
    「い、いや.....」
    その人は一歩一歩近づいてくる。
    「やだ....ごめんなさい!なんでもします!許して!!お願いします!」
    気が付けばそう叫んでいる。
    さっきまで終わればいいって思ってたのに。
    嫌だ嫌だやっぱり間違えた。
    あの時躊躇わずに殺してれば。あの時何も思わなければ。
    そもそもあれでよかったの?
    私の自己満足じゃない。あの子はこれから私と同じように....助かってなんかない。なんなら私が、私の迷いが彼を地獄に突き落とした。
    なんで考えなかったの...?馬鹿みたい....。
    ただただ自分が助かりたかっただけ。それでいてきづつきたくなかっただけ。
    後から考えれば私はいい方向になんて向かっていない。
    ....勝てるはずがない。人を殺すのをためらう私が。
    勝ったところであの地獄。いうことを聞く彼の方が気に入られるのは当たり前__
    「ごめんなさい!!もう逆らいません!!いうこと聞きます!!」
    そんな叫びも無視され左腕に刃が突き立てられる。
    ぐさっ
    「いぃっ....」
    本当はもっと泣きたい。叫びたい。
    私...今までこんなことしてきたの...?
    麗奈も....そんな私になく権利なんてない。
    もう死ぬんだ。因果応報だ。
    そう構えていても一向に何も起こらない。
    あれ……攻撃は?
    恐る恐る顔を上げると、振り上げたままの子がいた。
    ない、てる?
    ……あぁ。
    結局みんな、こんなの嫌なんだ。
    あの時の私も、同じだったんだ。
    「なんだ、お前も使い物にならんか。二人まとめて殺してしまうか」
    もういい。もういいよ。早く私を殺して。そうじゃないとあなたも。
    私は償えるから。麗奈のもとに行けるから。もう死んだって。
    「そもそもお前らは出来損ないの失敗作だ。武器がなければ戦えない、戦う気もない」
    失敗作……? なに、をいってるの?
    それより、私たち、どうなるの……?



    私たちの仲間……同じ部類のタイチさん。誰もあったことがない。
    そんなタイチさんと私たちはばったり会って話している。
    「あなたも、こんなの間違いだって思うでしょ?私たちと__」
    けど……。
    「ちがうちがうちがう、僕は! 僕はっ!」
    違う?
    「これが正解なんっすよ! マイ、あんたとは違う。ははっ……」
    マイちゃんはうつろな目を見開く。何か言いたげに口を開く。
    でも何も言わなかった。そして私に目を向けてくる。
    「ナオミさん。きいてくださいっす。君は僕と一緒っす。でも、まだ助かるんっすよ」
    マイちゃんとは違って、私と一緒……それって。
    「え…・・タイチさ……」
    「だからっ、もう僕に構うのはやめてくださいっす。希望をもう持ってこないでくださいっす」
    私が何か言うより早く重ねていってきた。
    「なに、何を言ってるの? タイチさんもきっと助かるわ!あの子たちがナイトメアを」
    「もし、助かったとしてっすよ。僕はもう、生きがいもないっす。だから、もういいんっす」
    「生き、がい……?」
    私は震える声で尋ねる。
    「ナオミさん。あんただけっす。僕の声が聞こえるのは」
    「えっ……  マイちゃん……」
    そんなわけないじゃない、さっきもマイちゃんと会話して。
    「いやっ、マイちゃん!」
    マイちゃんたちは全員その場に倒れている。
    なにか、タイチさんがなにかしたの?
    「ほら。ナオミさんのそのヘッドホンのおかげっす。それがなきゃこうなるっす」
    つまり、タイチさんの声ってこと……?
    「だから、僕、もうお話も、歌うこともできないんっすよ」
    うつむいてそういうタイチさん。しばらく置いてからつぶやいた。
    「もう約束は果たせないんっすよ……!」
    約束? なに、それ……。
    「あははっ!十年間こうっすよ!? だからもうあきらめたっす」
    あきらめるなんて、そんな。
    「こうやって人と話すのも今日で最後っす」
    今日で、最後? なんで?
    「さようなら。ナオミさん」
    「待って!ねえまっ」
    私の声を聴かずに帰ってしまった。
    なん、で?
    私が助け……助ける?
    あぁ。私、やっと。初めて。
    また、ヒトの声、聴きたいって思えたよ。
    ねえタイチさん。だから、もう一度。私に聞かせて。
    苦しい。悲しい。そんなのどうだっていい。私のことなんて。
    だから、聴かせて?
    もう一度聞ける日がくるまで、あきらめない。
    広がった野原に風が吹き抜ける。
    静か。いつもは、こんな空間が好き。
    でもね、今日は、あなたの声が。
    全員、動かないで。息しないで。
    何にも聴こえない。
    私はすっとヘッドホンを外す。
    何年ぶり? こうやって音を聞こうとするのは。
    目を閉じる。
    みんなの隣に寝転がる。
    いつの間にか、安心するようになった。
    君の隣も。
    逃げてた私も、追いかけるものができた。
    同じ。私も。だから、一緒に。
    一緒に、行こう。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤💖💘💘💘
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works