星満ちる、夜更けの丘で。 星を見に行こう。
大きな仕事を終えなんやかんやと一息ついた頃、団長がふとそんなことを言い出した。
モルルッソにとって、星と思い出すのはあの流れ星のことである。願いを叶える流れ星を探して一晩中空を見つめたあの日の景色は、今でもモルルッソの胸に焼き付いている。期待と希望、月が傾くたびに積もっていく苦々しさは決して忘れることができない。
もう星を探すことはないのかもしれない、どこかでそう思っていた。だからこれが彼の気遣いによるものなのか、それとも単純な気まぐれによるものなのかはよく分からなかった。
日暮れの星見の丘に皆でキャンプを張る傍ら、「今日はどうしてここに?」とモルルッソは仲間たちにそれとなく聞いてみる。
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