1ドロライお題/組織長ねぇ、知ってる?人は十字架になれるんだって。
ほら、見てごらん。この人影が何に見えるのか。
さぁ、ここから見える太陽は輝きに満ちている。
両腕を広げたら見えた景色が両目に広がったの。
存在していた人影がまるで別物に思えた瞬間で。
涙さえ隠してくれる黒に私は憧れを抱いたのだ。
十字架が一体何を意味するのかを問う世の中で。
そうだ、この小屋にいる間に太陽の光で遊ぼう。
太陽は私をどう見つめているのだろうと思った。
今日も十字架の完成と一人呟いて目を閉じて。
太陽光の熱にそよぐ風の爽やかさが私を包んだ。
羽ばたいた鳥の翼に何を願おうかと思考が巡る。
羽根が舞い散るのを見届けると地に吸い込まれ、
それを拾い太陽に翳してみるとキラキラと輝く。
私もかつてキラキラと光輝いていた時代の記憶。
思い出しただけで涙が溢れそうになるのを堪え。
俯かぬ様に心に鞭を打てば星の精霊が踊り出す。
夜になれば松明の炎が人影の十字架を揺らすの。
まるで人の感情の様にユラユラユラユラユラと。
とても面白いものを見つけてしまったと微笑み。
太陽は眠りに落ち月が目覚めれば新たな幕開け。
暗闇の中で誰もが主役になれる夜は解放される。
一つ一つの星と太陽系の惑星と月が私を照らす。
さぁ、踊れよ踊れ開幕の宴は過去の私と今の私。
真夜中の月に口付ければ深淵が姿を見せ微笑む。
朝は太陽の光、夜は松明の炎で十字架を表して。
昼がないのはわざと十字架を作らない様にした。
解放戦線の人達に何を伝達して成してもらうか。
それを考える時間として設けているからお休み。
神秘なる太陽は温かかったり冷たかったりして。
私を進むべき道へと手を差し伸べてくれるのだ。
一人の時間は寂しいと感じる事の悲観は無駄だ。
この信念を抱いた時から私は別の私であるから。
泣き虫で優しくて可愛い私に別れを告げたのだ。
あれから何年経過したか忘れてしまったけれど。
成すべきものを成していくだけの茨道は続くの。
白い薔薇は私の手に触れると赤く染まり輝いた。
美しい香りに身を委ねて未来を想像して泣いた。
一体どんな出来事が私を待ち受けているのかと。
もう迷わないと決めた日から前だけを見ている。
過去は振り返らない、振り返ってはならないと。
人影の十字架に私の感情を重ねては風が靡いて。
遥か遠くへと運んでゆくのを全身で感じ深呼吸。
朝がくれば太陽で人影の十字架を作り遊んでは。
夜がくれば松明の炎で揺らめく十字架の輪舞曲。
さぁ、私はどこへ向かうのだろうと想像しても。
その時が来なければどう行動するかも分からず。
今夜がその時の始まりだと思うと心が踊ってた。
遂に、心待ちにしていたあの本が私の手に届く。
馬の蹄の音が聞こえて小屋の扉を開けるとほら。
眼前に任務を任せた三人と見知らぬ少女の姿が。
これぞ未知なる世界だと歓喜するには不謹慎か。
この少女は私や私達に何をもたらすのだろうか。
久し振りと告げた日はいつもと違っていたの。
勘違いかもしれないけれど吹いた風は温かくて。
彼らは無事に帰還を果たした喜びで心が一杯だ。
私と邂逅を果たした喜びを讃えようではないか。
よくぞ無事で、と嬉しい感情を呼び覚まそうか。
手を取りワルツを踊りたいと思っても遅い時間。
ワルツはやめて皆で語り合おう再会の盃と共に。
小屋の中へ招いて此処に来るまでの経緯を知る。
これから待ち受ける運命に立ち向かうは運命か。
純粋だった頃の私を胸に抱き締めて駆け抜けろ。
何が待っていようとも絶望せずにただただ前へ。
もう戻れぬ時とおさらばして手を振るのよ夜に。
太陽が産声を上げて進撃の咆哮が全身に流れる。
理想の世界へ向かう為の一歩が今日も始まった。
私を育む太陽と月、星は生命と共に眠り起きて。
一滴の血となり身体を大地をこの世を駆け巡る。
いざ進め!と魂叫ぶは己かこの世の誰かなのか。
2025/02/01
DAHLIHA