無防備なきみに恋をするシリーズ1・2「無防備なきみに恋をする」シリーズ
1.誰にでもスキだらけ
第一印象は最悪だった。
冷静に話し合うといった雰囲気は微塵もなかった。
にらみ合いが続き、一触即発の空気が漂って。
出会って数秒で、互いを敵とみなした。
もう少し違った出会い方をしていたら
素直に『スキ』と言えただろうか。
気持ちを洗いざらいぶちまけて
抱き締めることができたなら
楽になれるのだろうか。
決着はまだ、つきそうにない。
「無防備なきみに恋をする」シリーズ
2.眠るきみに秘密の愛を
その日、アルベルト・コーレインは疲弊していた。
掛け持ちで所属している第三部隊の仕事で、徹夜で魔物退治をしていたのだ。
そういう依頼の場合は、いつもなら友人で同僚──今は一応『上司』でもあるが──のシオンと一緒にこなすのだが、今回は生憎と別の依頼が重なってしまい、仕方なくアルベルトひとりで受けることにしたのだ。
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