💚💗🏠-1>> 5月31日
夜も更けて、時刻は日付が変わろうとしている頃。
七人の男たちが共同生活をしている大使館の別邸は、静寂に包まれていた。
――静かな時も、あるもんだな。
本日の主役である猿川慧は、グラスに残った酒をゆっくりと飲みながら周りを見渡した。リビングの一部の電気は消され、淡い橙色の光と台所から漏れる光だけが此方を照らしている。
最年少で酒も飲めない未成年の男は、呆けた顔で寝息を立てながらソファを占拠している。その隣では、21時には「寝なさい」と言うような秩序の権化が、今日はもう諦めたのか笛を握りしめたまま眠っていた。
ダイニングテーブルに顔を向ければ、浴びるように酒を飲んでは自分について語り尽くしていた自愛の彼と、それを肯定しながら「セクシーですね」なんて口癖を呟く男が様々な姿で目を閉じている。
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