エイプリルフール「こんちは~」
四月一日、エイプリルフール。
ゆにち先輩が昨日突然エイプリルフールをやろう、言い出したときは何事かと思ったけど、なんだかんだ言って、こういうイベントごとは楽しくて好きだったりする。昨日思いついた嘘をつくタイミングとシチュエーションを考えながら、サークル棟に入り、部室のドアを開ける。
すると、俺が一番乗りかと思ったがゆにち先輩がすでに居た。
「あ、やっほーほまるん」
「あれ、先輩髪の毛切ったんですか?」
ゆにち先輩の髪の毛が揺れる。
ゆにち先輩は普段髪の毛を一つに括れる程の長さがあるけど、今日は毛先が赤色のショートカットになっていた。普通なら髪の毛を切ったんだと思うだろう。
「ウン、切った」
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