どうせ最後には俺を選ぶでしょ「マオ頼むっ、俺に服貸して!」
マオの家に来て開口一番そう言うと、マオは怪訝そうに眉を顰めた。
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マオと俺は幼稚園の頃から幼馴染みだ。家が隣同士で、小学生の時はいつも学校が終わったらマオの家に一直線だった。
ちなみに、それは高校生になった今でも割と変わらず、俺は学校から帰ってすぐにマオの家へと突撃した。
マオの名前は本当は真央(さねひさ)と読む。けれど、子供の頃呼びやすいからマオ、と呼んでいたらそれが定着してしまった。
マオも、俺が呼びやすいならそれでいいと認めているので、俺だけは真央をマオと呼んでいる。
突然の俺のお願いに、マオは不満そうに唇を尖らせ俺の名前を呼んだ。
「あつむー、ゲームは? FFFの新作……」
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