「なあ君、眠れないのか」
熱気が立ち籠もり身体を湿気が包み込むような夜に、まだ眠れそうになく天井を見つめていた。ふと、開いていた窓に目をやると、そこには真っ白な服を着た白髪の青年がこちらを覗き込んでいた。
の、覗き込んでいた!??
「…っっ!?!!!?!!!!」
声にならない悲鳴を上げて後ずさりをする。
俺って驚いたら腰抜かすタイプだったんだ…
「しー。静かに。もう日付が変わる時間だろう」
知らない相手に出会いがしら諭されてしまった。意味がわからない。混乱しながらもたどたどしく言葉を紡ぐ。
「し、静かにって!あんた誰だよ!?」
「まあまだ言えねえが、そのうちちゃんとした場面で出会うことになるだろうなあ」
「意味がわかんねえ……これ夢か…?」
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