没作品02 御影玲王に「食事に行かないか?」と電話で誘われ、快諾したのは、丁度日本に戻ってきた当日ーー四日前のことだった。リーグ中ではあったが、パスポートの更新のため一時帰国していた。更新時期は玲王と凪誠士郎もほぼ同じ時期のため、揃って帰国していた。
凪の話は出てこなかったが、まあ、二人の間で何かしら話が通っているだろうと特に気にせず。玲王といくつかの空いている日付を確認しあった後、何故か日程と場所は後で伝えると言われ、待っているとメッセージが届き、日時と駅名、それに改札口の指定もされていた。
疑問に思いながら、当日。天気予報の通り曇天だった。厚い雲に覆われ朝から酷く暗い。時間通りに駅の改札を抜けると、やけに姿勢の良い妙齢の女性ーー玲王が以前「ばぁや」と言っていた人物と目が合った。女性はリムジンの前で一礼する。事態が掴めず、言葉も出ないまま立ち尽くした。
3749