昼寝時折傷口がうずく。
ある時、やけに顔色が悪い真島に何があったのかと冴島が執拗に問いただすとそう返された。
ちょっとやそっとの不調などおくびにも出さない真島がそういうのだから、相当つらいのだろう。
お互い言葉には出さなかったが、黒い布で隠された眼窩の傷が要因なのだというのは手に取るように分かった。
真島の体調が悪くなるのは大抵が湿気のこもった曇りや雨の日だ。あまり詳しくはないが気圧による関係なのだろうか。
ある程度法則性に気づけるようになった冴島は、あえて真島の体調がすぐれないだろう日に合わせて真島組に顔を出すようにした。
そうして真島の顔色だけ確認して、体調が悪そうであれば無理にでも理由をつけて家に帰すのが冴島の役割だ。
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