呼び方「オーガス、オライオン、英、リーベル、ヴェイル…」
指を折ってその数を数えていく。すると隣から不思議そうな視線を向けられた。
隣にいる男ー、八乙女楽は呼んでいた台本を閉じた。
どうやら大和の発した言葉が気になったようだ。
「如何した?」
「お前と共演した作品の、お前の役名だよ。色々あったなー、って思って。あ、最近だとガイアもか。あと頭領…ってか俺からしたら呼び方は兄貴だったけど。あれは新鮮だった」
実際は俺の方が年上なのにな。そう言えば、数ヶ月だけだろ、と返される。
拗ねたような八乙女の言葉にふふ、と笑いながら大和はふかふかのソファに身体を預ける。八乙女がこだわり抜いて購入したというそれは、大和の身体を優しく受け止めた。
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