見つけないでね、神様 夢みたいだなと思った、のと同時に悔しくなっちゃった。
目が眩むようなネオンも届かないずに、雨が地面を叩きつけて音を鳴らすナイトシティの路地裏で、ラザロが僕を抱きしめてい泣いてるんだよ?死に際で見てる都合のいい妄想だって言われても納得できちゃう。
「泣かないで」
ラザロの顔を伝う涙を僕はほとんど動かなくなった手を動かして拭った、これも涙じゃなくてただの雨なのかもしれないけど。
終わりがだんだんと近づいてくるのがわかる、後悔はないよ、だってナイトシティで夢を叶えられるなんて奇跡みたいなもんなんだから――
表通りで人が呻いているのを俺は横目で見ながら今日のビズの待ち合わせ場所に向かっている。
地下闘技場でそこそこ名を挙げている俺は、こうして試合がない日はフィクサーから殴って終わるようなギヴをよく斡旋されていた。
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