摩多羅神は大陸において生じた神霊です。大陸内で多様な文化・宗教の交流が進んでいく過程で「この神とその神って似てるんじゃない?」というような、人々が神々に対して持つ漠然とした認識の塊が、原初の摩多羅神でした。
その時はもちろん神としての名前などなく、存在もおぼろげで、人間から信仰心どころか意識すら向けられることもない…無意識の領域にいる存在でした。
ソレは長い年月をかけて、独立した自我を持ち始めました。しかし、様々な神格をくっつけては千切られ、くっつけては千切られていたので、泥っぽい感じの、ぬとぬとした不定形でしか見た目を保てませんでした。生き物の意識の外にある存在だったので、そんな醜い姿を見られることはなかったのですが…。
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