【七夕伝説】七夕の星祭り。毎年、商店街で行われるそれはかつての俺もよく行っていた。
「あまね、今年は行かないの?」
テレビの前でお菓子を食べながらつかさは問う。
「もう…諦めたから。いいんだ」
そう言えばつかさは
「ふゥん…」
とだけ呟いた。
カレンダーを見る。
赤ペンでぐるりと印を付けられたところに目がいくのは当然のことで。
やっぱりそこには『7月7日 七夕』としか書いていなかった。
やっぱりこんな未練がましい男はあの人は嫌いかなって思ったけれども。
少しだけ、この日だけはいいよね?
寧々お姉さん。
とある伝説の御伽噺。
あくまで政略結婚ではあったもののお互いの相性が良く、結婚後はラブラブだったと言われる織姫と彦星。
二人は仕事をしなかったせいで天の川の両岸に引き離されてしまう。
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