かもめ学園の生徒も教師もいない、怪異だけの時間。
心を恋する少年のまま時を止めた花子さんのお話。
心做しか、だけ
怪異然とできない俺は七不思議としては落ちこぼれなんだと思う。今まで必死に守ってきた、貫き通してきた首魁としての仮面も、花子くんとして被った“下劣なエロガキ”の皮も、ヤシロの前では無駄だったし。なんて、誰もいない自身の境界で膝を抱えたまま悪態をついた。
土籠曰く、今日は教師たちも早く帰らなければいけない日らしい。そんなこと、旧校舎の宿直室を占領してるお前が言えることではないだろうに、と思ったのは記憶に新しすぎる。
――だって昨日言われたんだよ!?
勢いのあまり、トイレの貯水タンクを叩いてしまい、近くにいたもっけが跳ねた。さすがにカミサマと繋がってるここでこのままいるのは駄目だろうな、と思い個室から出た。
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