星に書けない言葉社長の急な思いつきで、社員に七夕の短冊が配られ、「願い事を書け」とのお達しがあった。
「……曹操社長、意外とこういうイベント事好きだよな……」
渡された短冊を指先で摘み、ピラピラと振ってみせる。何を書くか、まるで思いつかない様子だった。
「そうですね。いつもの急な思いつきで、少し困りますが…」
苦笑いをする楽進は、書こうとペンを持つが、願い事が決まっていないのか再びペンを机に置いた。
「……何を書けばいいのか、悩みますね」
顎に手を当て、うーんと小さく唸りながら真剣に悩む上司の姿を見て、楽進は言った。
「荀攸さん、そこまで真剣に考えなくても、いいと思いますよ」
(真剣に考える荀攸さん…素敵です…!)
「楽進の言う通りですよ。下手すりゃ他の社員たちの目にもはいるんですから、本気の願い事は書かない方がいいですよ」
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