つれない向日葵(仮)あの日は何時頃の時期だったか、思い出せない
いいや、忘れたいのだと思う。
覚えていたらその季節の度、振り向いてしまうから
けれども、腕の中で冷たくなっていく感覚。
それだけは忘れ去ることが出来ず10年以上経った今でも鮮明に残っている。
───久方ぶりに見たな。
遠くで蝉が鳴いている、夏本番だ。
乾くはずもないのに額に浮かんだ汗を手の甲で拭きゆっくり起き上がった。すると蝉と一緒に混ざる声。
時刻は朝7時半。
俺と同じように暑さで夢見が悪そうな、汗ばんだ背中を揺する
昨日の夜は少し冷えたから⋯長袖を着せたのが悪かった。
「うぅ゙〜⋯」
「神楽、起きろ。」
「⋯⋯ぎんちゃ⋯おはようある⋯」
「ん、おはよう。汗すげぇぞ、シャワー浴びる?その間朝メシ用意しとくから」
16564