明日と明後日は仕事もレッスンの予定もない休暇となっていた。我々S.E.Mが揃って出演している映画が本日クランクアップし、ゆっくり休んでほしいとプロデューサーから言われた結果の休暇である。私としては特別予定は入っておらず、家の掃除をするか少し先の日程になるが学生達への勉強会の準備をするかと悩んでいたところだった。
だから舞田くんに予定を訊かれたときに「特に予定は入れていない」と答えた。次の休暇でも充分に間に合うからだ。その時に山下くんと目を合わせて明らかに安堵したような息を吐いた理由を私はまだ知らない。私はただ「大事な話があるからミスターやましたの家に来てほしい」と言われただけなのだ。
普段の山下くんならば「勝手に俺の家を集合場所にしないの」などと言いそうなものだが、彼はそこについては何も言わなかった。とっくに承知していた事柄なのだろう。私としても断る理由などない。了承の意を伝えれば告げられた時間をメモした。
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