願い望むは、叶い叶わぬ儚き夢『一緒に星の海を見ようね』
騎空団の仕事以外で、
先々の約束をするのはこれが初めてかもしれない。
確証のない約束はしない主義だったのに…
『約束というよりは、あれは君のエゴじゃないかな?』
「……」
悔しいけど、
潰えた可能性の俺が言う通りだった。
そうだ、あれは『約束』ではない。
俺が一方的に望んだことで…
『残酷なことをするね、君も。』
「……」
五月蝿いな…
そんな事はわかっている。
だからこそ、これはエゴなのだ。
意図せずこぼれ落ちた、俺の願望。
自分でも、驚いている。
俺がそれだけ、あの子と共にいたいと
願ってしまった事に。
自身のことを欲のない人間と思っていたけど、
俺にも欲はあったらしい。
その事に、どこか嬉しく思っている事も
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