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    nbymk02

    @nbymk02

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    nbymk02

    DOODLE七夕的なものが書きたかったのでヒーロー組で考えたけど、なんか陰気な感じになってしまった。
    七夕文「そういや、今日は七夕じゃん」
     誰かがそう言い出したのがきっかけだった。なぜか定番になりつつある、戦いの後の俺の部屋での勉強会の時だった。シャーペンを動かす手を止めて、皆がスマホの日付を確認する。
    「七夕かあ、今日は天気がいいから、ひょっとしたら天の川みれるかもしれないね」
    「おっまじ? じゃあさっそく見に行かねえ?」
    「この時間じゃまだ早いでしょう」
     夏も近くなり日も伸びた、梅雨明けを待つ今日この頃。現時刻は六時をまわった今でも、カーテンで仕切られた向こう側はまだほんのりと明るかった。
    「七時をすぎた位になれば日も沈むんじゃないか? テスト前だしもう少し勉強していこうか」
    「オッケー!」
     若干一名を除いて、高校生たちはやる気満々だ。しかしながら、居場所の提供者である俺は全く大丈夫ではない。今日は八時からは愛好しているネットゲーム内で、バーチャルアイドルによる七夕限定ライブがあるのだ。アーカイブで視聴可能とはいえ、リアルタイムで楽しむことこそファンの務めと言うもの。回線の混み具合も考えて、早めに待機しておきたいので、皆には早いところおうちに帰ってもらいたいところなのだ。とはいえ、そんなことを言えるほどのコミュ力は俺には存在していない。ぐっと心の中で「早く帰れ」と唱えながら、パソコンの画面へと意識を戻す。
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