百花の魁「梅さん」
「……ん? おー阿■、元気してたか?」
「元気してたか、じゃないですよ。いつの間に女主人になってたんですか」
「ああ、いやなあ」
ぷかりと煙管をふかす。
「ここの前の主人がな、花魁が主人になれるまでの間ここを頼んだっつって死んじまってなあ」
「錨だったんですか」
「いいや、ただの友人さ」
「で、なにか?まーた後始末か?」
「あー……はい」
「よしよし、営業始まる前にちゃちゃっと片付けに行きますかね」
「よろしくおねがいします」
= = = = =
ふと思い立って姐さんのことでも。
この小話は友人だった遊郭の主人に頼まれてしばらく女主人を請け負った姐さんの話だったような。
あと、どっかで書いたような気がするのにどっか行った姐さんの"夫"の話。梅妻鶴子の人です。
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