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    TRAINING類のワンダショモノローグ

    お題「思い出の時計」
    15分トレーニング 13

    954文字(所要時間約2分)
    センター街の時計が十二時を指していた。
     ざわざわとした喧騒の中、その音だけが一瞬、この空間の空気をかき乱す。

     類も、ご多分に漏れずその大時計を見上げて今の時刻を見つめていた。
     もう、そろそろ終わろうか。
     日曜日。
     人通りの多いこの街の中心で、朝から路上パフォーマンスを続けていた。
     お陰様で本日の営業は上々である。元より類は『魅せるため』だけでこの公演を続けていたにも関わらず、ある母親と子供から、手渡しで感謝の金銭まで頂いていたのだった。
     その小さな手のひらから感謝の気持ちを受け取る瞬間に、幼い少女と目が合った。その瞳は大きくて、類の顔をしっかりと写し取っている。それに映る自分と彼女自身が全く同じにこやかな表情をしていて、嬉しいような、驚くような気持ちにもなるのだった。

    「……今日は、これでお終いだよ」

     大通りの時計が十二時を告げた後、類はそう伝えて群衆に深々と礼をする。
     歓声と、まばらな拍手が伝わってくる。
     喜びと、次の公演へのアイディアが幾つも広がってゆく感触がある。

    「この続きはまたいつか。……ああ、僕はフェニックスランドでもショーをしているから、よかっ 993