嫉妬(7柏真)町内会なんて組織は自分にはてんで馴染みのないものだが、そういえばこの人は昔からそういった組やら会やら──所謂極道組織のそれに留まらず──管理がマメだったなと思い返す。ただ、自治会費等は納めるより納められる側ではあったが。
サバイバーの店先で中年の女性と何やら話し込んでいるマスターを、クローズドにした店内からここぞとばかりにじっとみつめる。その表情は穏やかだが、人から見れば厳つい強面にも見えるのだろう。自分としては、あの垂れ目がこちらの名を呼ぶときに更に細まるのが堪らないのだ。当然ながら今はその目はこちらを見ない。はよ戻ってこんかなあ、と些か退屈になって頬杖をついた。
ふと視線の先、何か言われたマスターが照れたように笑うのを見て、大人気ないことだが機嫌が一気に急降下した。
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