日の高いうちに始まった誕生日パーティは、いつの間にか夜空に星が瞬くまで続いていた。
はしゃぎ疲れて、うとうとと部屋の隅に身を寄せ合う子どもたちに、アラナが優しく毛布をかけてやる。
古い木の椅子に背を預け、片膝を座面に立てて座っていたアーロンが、口元に運んでいたグラスを静かに置いた。黙って部屋中に視線を巡らせるアーロンに、テーブルの片付けを始めたアラナが答えてやる。
「ルークなら、外に行ったよ。風に当たってくるって」
「何も言ってねえだろ」
「どうだか」
黙ったままの今の視線が、誰より雄弁だったことに弟は気づいていないらしい。楽しそうな様子を隠しもしないアラナを睨みつけ、アーロンは椅子から腰を上げた。
静かな夜だった。半分だけ開けた窓から忍び込む夜風はひんやりとしている。ハスマリーの夜は、昼よりもぐっと気温が下がる。
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