ぼくらのかみさま(仮) 2オレのかみさま、僕の神さま
「けん、ぱ、けん、ぱ、けんけん、ぱ……」
「ゴール、だ」
「わぁ、かみさますごい! 丸と丸がいっぱいはなれてるのに、できちゃうんだ!」
温かな日差しの差す境内に、幼い歓声が響きます。社務所の前の地面には「けんけんぱ」のための円がいくつも描かれており、そのゴールに立つ大きな人影は、心なしか誇らしげに胸を張りました。
ここは異空間に存在する、不思議な神社。忘れられたい者が行く果てへの案内所であるこの場所では、今日も大瀬と神様が一緒に仲良く遊んでいました。
「かみさま、どうやったらぼくもできるようになりますか?」
「貴様はまだ幼い。故に背が低く、足も短い。成長すれば自然と体も大きくなり、次の丸にも到達できるようになるだろう」
13709