天晴幸福帝国4 毎日過ごしていても、天候は特に変わらぬ神の星。
地球基準で言えば奇妙な色の空の下で、今日も一人の人間が天使を相手にして修行に励んでいる。
……人間が二人では無いのが、唯一いつもと違う点だった。
天使は人間の拳をひょいひょいとかわしつつ、時折杖で拳を弾き返す。
「悟空さん、動きがちょおっと鈍いですねえ。考え事をしていますか?」
「えっ!? ……へへっ、ウイスさんにはやっぱバレちまうか」
二人の動きが空中で一度止まる。そのまま向き合い、顔をまっすぐ見合わせた。
「悟空さんが修行中に考え事なんて少し珍しいですねえ。一人だとバランスが崩れます?」
「いや! 全然そんなことねえよ。ただ、オラ、昨日より一昨日より強くなってるだろ。自分でも分かるんだ。ちょっとずつだけどさ……。この数日だけで、ベジータと差があいちまうかなって」
6217