それは、本当に突然の出来事だった。
「あっ、わんこ!」
レンとアキラを連れて散歩をしていると、レンがすっと指をさした。
そこそこ人もいるし、犬の散歩をしてる人を見つけたのか、なんて思いながらさされた指の先を見る。
「え?」
そこには、うぃるによく似た小さな犬?と、俺にそっくりな小さな、何かが居た。
◆
「それで、連れて帰って来たの?」
驚きのあまり慌ててウィルによく似た犬と小さな俺のような何かを抱えて帰宅すると、出迎えてくれたウィルが心底不思議そうな顔で問いかけてきた。
「いや、うん…今思えばタワーに行けばよかった」
「っていうか、俺…?と、アドラーだよな、これ」
「たぶん…」
抱えていた小さい二人を降ろす。するとレンとアキラが自分より小さいそれに興味津々のようで恐る恐る手を伸ばした。
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